更新日:2025年03月14日

整備管理者とは? 業務内容や専任されるメリットなど

整備管理者は、事業用自動車の維持管理を担う責任者であり、一定の要件を満たすことで選任されます。選任要件を満たすことで、バスや大型トラック、タクシーなどを所有する事業所で整備管理者として働けるようになります。この記事では、整備管理者の業務内容や選任の条件、選任されるメリットなどについて解説します。

整備管理者とは?

整備管理者とは、運送事業における自動車の点検や整備、管理を行う責任者のことを言います。資格ではなく、一定の要件を満たした上で選任される制度です。ここでは、整備管理者の主な業務内容や、整備管理補助者との違いについて解説します。

整備管理者の業務内容

整備管理者の主な業務内容は、自動車の日常点検や定期点検、必要な整備、整備に関する記録の管理、車庫の管理などです。

道路運送車両法で定められる日常点検の実施方法を定めたり、日常点検の結果に基づいて運行の可否を決定したりします。また、日常点検や定期点検以外に、必要な点検を随時実施するのも整備管理者の仕事です。

点検の結果をふまえて、整備の実施計画を定めるのも整備管理者の業務に含まれます。ただし、実際の整備作業は整備管理者以外でも実施できます。これらの業務を実施するために必要な運転者や整備員への指導や監督も、整備管理者が行います。

整備管理補助者との違い

整備管理補助者とは、整備管理者の代わりに車両の運行可否の決定などを代行する人のことです。整備管理者が休みなどで不在の場合に、整備管理補助者が一部の業務を行います。

整備管理者と整備管理補助者の違いは、選任要件の有無です。整備管理者には実務経験や研修が求められますが、整備管理補助者は運送事業の社員や派遣社員として常勤しており、業務に必要な知識があれば資格は不要です。

また、整備管理者と整備管理補助者は業務範囲も異なります。整備管理者は事業用車両の点検や整備に関する幅広い業務を行いますが、整備管理補助者の業務は運行可否の決定や日常点検に関する仕事のみです。

整備管理者になるための条件は2つ

整備管理者になるためには、次の2つのうちいずれかの条件を満たす必要があります。

2年以上の実務経験と整備管理者選任前研修の受講

自動車整備士資格を持っていない人が整備管理者として選任されるためには、自動車の点検・整備か、整備管理補助者として2年以上の実務経験が必要です。

さらに、国土交通省が指定する整備管理者選任前研修を受講することも求められます。整備管理者選任前研修で学ぶ内容は、整備管理者の役割や日常点検・定期点検の内容、車両管理に必要な法令などです。また、車両管理や運転者などに対する指導教育、自動車事故の報告などについても学びます。整備管理者選任前研修は、管轄の運輸局で受けることが可能です。

自動車整備士資格の取得

自動車整備士資格を取得している場合は、整備管理者選任前研修を受講することなく整備管理者になれます。

自動車整備士資格は、3級・2級・1級の3つの級に分かれています。また、整備する対象が異なる「自動車ガソリン・エンジン整備士」や「自動車ジーゼル・エンジン整備士」、「自動車シャシ整備士」、「二輪自動車整備士」などの種類があります。自動車整備士資格を取得する主な方法は、自動車整備の専門学校に通うことや、自動車整備に関する一定以上の実務経験を積むことなどです。

2級以上の自動車整備士資格があれば、実務経験不要で整備管理者になれます。3級の自動車整備士資格を保有している場合は、整備管理者になるために1年以上の実務経験が必要です。

整備管理者に選任されるメリット

整備管理者に選任され業務を行うことで、専門知識の習得やキャリアアップなどのメリットが得られます。

講習により専門知識やスキルを習得できる

資格取得にあたって整備管理者選任前研修を受講すると、車両管理に必要な専門知識やスキルの習得が可能です。例えば、点検や整備の計画を立てるスキルを身につけたり、運送に関する法令への理解を深めたりできます。

キャリアアップや転職に役立つ

自動車業界でのキャリアアップや転職に役立つことも、整備管理者に選任されるメリットです。整備管理者に選任されることで、より責任のあるポジションへの昇進や昇給が期待できます。また、転職活動を行う際にも、整備管理者として勤務を行っていたことが採用担当者へのアピールにつながります。

営業所が選任するべき整備管理者の人数

一定の台数以上のバスや大型トラック、事業用自動車を使用している営業所には、1営業所につき少なくとも1人の整備管理者が必要です。

例えば、乗車定員10人以下のトラックやタクシーであれば、5台以上を使用する場合に整備管理者の選任が求められます。乗車定員11人以上のバスであれば、1台以上の使用で整備管理者が必要です。

また、法令上は1人以上であれば問題はないものの、台数が多く1人で管理することが難しい場合は、適切な人数の整備管理者を選任することが推奨されます。

まとめ – 整備管理者として経験を積んでキャリアに活かしましょう

整備管理者の役割は、事業用車両を安全に使用するための点検や整備、関係者への指導などを行うことです。整備管理者として選任されるためには、2年以上の実務経験を積んだ上で所定の講習を受けるか、自動車整備士資格を取得する必要があります。自動車業界への就職・転職やキャリアアップを目指している方は、整備管理者へのステップアップを検討してみましょう。

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