内定承諾後も辞退できる? 内定辞退との違いや注意点など
就職活動をする上で、内定承諾後に辞退したくなるというケースは十分に起こり得ます。しかし、内定承諾後の辞退について法的な問題があるか、どのように申し出ればよいかなどが気になるという方もいるでしょう。
この記事では、内定承諾後に辞退することの可否や、辞退する理由と伝え方、内定辞退との違いなどについて解説します。
内定承諾後の辞退は可能か?
企業からの内定を承諾した後であっても、辞退することは可能です。ここでは、内定承諾後の辞退に関する法的な扱いや、内定辞退との違いを紹介します。
法的な側面と労働契約の成立
内定承諾書を提出すると、企業との間で労働契約が成立します。ただし、労働契約を解消したい場合には、退職日の2週間前までに労働者側から申し出れば法的に問題なく解約が可能です。
そのため、内定を承諾したあと、入社日の2週間前までに申し出れば辞退できます。
内定辞退と内定承諾後の辞退の違い
内定辞退と内定承諾後の辞退は、辞退を申し出るタイミングが異なります。内定辞退とは、企業からの内定が出たタイミングで、内定を承諾せずに辞退することです。一方、内定承諾後の事態では、内定承諾書を企業に返送するなど、内定を受ける意思表示をしたあとに辞退することを指します。
内定承諾後に辞退する理由と伝え方
内定承諾後に辞退する際には、理由や伝え方が重要です。ここでは、よくある辞退理由や伝え方のポイント、電話やメールで内定承諾後の辞退を伝える際の例文を紹介します。
よくある辞退理由
就職活動をする中で複数の企業とやり取りを進めていた場合、ある企業の内定承諾後に、より志望度の高い企業から内定を得られる可能性があります。そのため、別の会社から内定を得たということは、よくある辞退理由の1つです。
また、急な病気などの健康上の理由や、家族の介護が必要になったといった家庭の都合も、内定承諾後に辞退する理由として挙げられます。
辞退理由を伝える際のポイント
辞退理由が他社からの内定の場合は、待遇や志望度の違いなどを直接的に伝えるよりも、あくまでも「検討の結果、より自分に合うと感じた企業への就職を決めた」といった伝え方をしたほうが無難です。
健康上の理由や家庭の事情で辞退する場合は、企業側に迷惑をかけてしまうことへの謝罪の気持ちを伝えた上で、やむを得ない理由があることを丁寧に説明しましょう。
内定承諾後の辞退の具体的な伝え方(電話とメールの例文)
内定承諾後に、採用担当者へ電話またはメールで辞退を申し出る際の具体的な伝え方は次の通りです。
【電話の場合】
「先日、御社より内定を頂いた〇〇と申します。大変恐縮ながら、内定を辞退させて頂きたくお電話致しました。辞退を希望する理由は、~~~のためです。内定承諾後の辞退となり、御社にご迷惑おかけしてしまい大変申し訳ございません。」
【メールの場合】
件名:内定承諾後の辞退についてご連絡
本文:
株式会社〇〇 〇〇様
お世話になっております。先日、貴社より内定を頂きました〇〇と申します。
内定承諾後の申し出となり大変申し訳ございませんが、
この度、内定を辞退させて頂きたく連絡いたしました。
内定辞退を希望する理由は、~~~のためです。
本来であれば直接お伝えさせて頂くべきこととは存じますが、
お電話のタイミングが合わず、なるべく早くお伝えしたほうがよいと思い
メールで連絡させていただきました。
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
氏名および連絡先の記載
内定承諾後の辞退に伴うリスクと注意点
内定承諾後の辞退は法的には問題ないものの、企業側から損害賠償を求められるリスクがあるため注意が必要です。ここでは、内定承諾後の辞退に関する注意点を紹介します。
法的リスクと損害賠償の可能性
企業が内定者の制服などの備品をすでに用意していたり、企業側の費用負担で内定者が研修などを受けていたりした場合は、辞退を伝えることで損害賠償を請求されるリスクがあります。
企業への影響と信頼関係
内定承諾後に辞退すると、企業に好ましくない印象を与え、信頼関係を損なってしまう場合があります。そのため、再度就職を希望しても受け入れられない可能性が高くなる点に注意しましょう。
内定承諾後の辞退が転職活動に与える影響
内定承諾後、入社前に辞退する場合には職歴に残らないため、転職活動に与える影響は小さいと考えられます。ただし、辞退した企業のグループ会社や子会社などに情報が共有されていた場合は、それらの会社への転職を希望した際に、選考に影響するリスクがあります。
内定承諾後の辞退を円滑に進めるための対策
内定承諾後の辞退を円滑に進めるためには、次のような対策がおすすめです。
内定承諾前の慎重な判断
内定が通知された後に、本当にその企業の内定を承諾するかについて慎重に判断しましょう。特に、複数の企業で選考プロセスが進んでいる場合には、慎重な判断が求められます。
早めの連絡と誠実な対応
内定の辞退を伝える際には、できるだけ早く連絡し誠意を見せることが重要です。可能な限り電話で直接伝え、電話がつながらない場合にはメールを送るなど、誠実な対応を心がけましょう。
転職エージェントの利用
転職エージェントを利用している場合は、もし内定承諾後に辞退したくなった時には、転職エージェントを通じて伝えてもらうことが可能です。自身の負担は軽くなると言えます。
まとめ – 内定承諾後の辞退は慎重に進めましょう
内定承諾後であっても、入社日の2週間前までに連絡すれば、法律的に問題なく辞退することが可能です。ただし、企業はすでに採用活動や入社後の準備に時間やコストを費やしているため、内定承諾後に辞退すると迷惑がかかってしまいます。内定承諾後の辞退は慎重に判断した上で、適切なタイミングや伝え方で申し出るようにしましょう。