更新日:2025年02月21日

無期雇用とは? 正社員との違いやメリット・デメリットなど

無期雇用とは期間の定めがない労働契約のことをいいます。無期雇用には安定して働けるというメリットがある反面、待遇や報酬面でデメリットとなる場合もあります。この記事では無期雇用の意味や主な雇用形態、無期契約社員と正社員の違い、無期雇用転換ルールなどについて解説します。

無期雇用の意味

無期雇用とは、働く期間に定めのない労働契約を指します。一般的に、契約社員や派遣社員として働く場合、3か月や1年間など一定の契約期間が定められます。これらの契約は有期雇用と呼ばれ、契約が満了し更新されなかった場合は、それ以上長く働くことはできません。一方、無期雇用の場合は期限を定めずに働くことが可能です。

無期雇用に含まれる主な雇用形態

無期雇用に含まれる主な雇用形態には、無期契約社員や無期雇用派遣などがあります。それぞれの意味や特徴は次の通りです。

無期契約社員

無期契約社員とは、期間の制限なしに雇用される契約社員のことです。従来は、契約社員といえば定められた期間のみ雇用されることが一般的でした。しかし現在は、労働契約法の改正により、一定の条件を満たした契約社員が申し出た場合に、無期雇用に転換できるようになっています。そのため、現在は有期契約社員と無期契約社員という2種類の雇用形態が区別されています。

無期雇用派遣

無期雇用派遣とは、派遣会社と無期雇用契約を結んだ派遣社員のことです。雇用派遣にも有期と無期の2種類があり、有期雇用派遣の場合は派遣先企業での業務が終了するまでの間、派遣会社と派遣社員が有期雇用契約を結びます。

有期雇用派遣の契約が一定の期間を超え、派遣社員が無期転換を申し出ると、無期雇用派遣になることが可能です。また、派遣会社の選考で採用された場合、有期雇用派遣の期間を経ずに最初から無期雇用派遣で働けることもあります。

無期契約社員と正社員との違い

正社員という言葉には、法律上の明確な定義がないものの、契約期間を定めずにフルタイムの所定労働時間で働く従業員を指すことが一般的です。

無期契約社員と正社員は、雇用契約の期間に定めがない点が共通しています。ただし、職務内容や勤務地、待遇などに違いがあります。

業務内容や勤務地は正社員の方が幅広く、昇進や異動、転勤などが発生する場合があります。一方、無期契約社員の業務内容や勤務地は限定的です。賃金体系については、正社員は昇給やボーナス支給などが受けられる可能性があり、無期契約社員は給与が固定されている場合が多くなっています。

無期雇用転換ルールとは

無期雇用転換ルールとは、有期雇用で働く人が無期雇用に切り替える際の条件を定めたものです。2012年の労働契約法改正によって導入され、2013年4月1日から施行されています。無期雇用転換ルールは、労働者がより安定した条件で働けるように導入されました。

無期転換を行う際の基本的な条件は、同じ雇用主との間で、有期労働契約が通算5年を超えていることです。条件を満たした労働者本人が、雇用主に対して無期転換を申し込んだ場合に、無期雇用契約が可能となります。無期雇用契約の申し出があった場合、雇用主側は正当な理由がないかぎり、拒否できません。

無期雇用転換ルールは、契約社員やパート、アルバイトなど、有期雇用契約で働く労働者に適用されます。ただし、大学や研究開発法人などの研究者や教員など、一部の職種に関しては無期転換の申し込みまでに通算10年を超えた有期労働契約が必要です。また、定年退職後に再雇用された場合なども、無期雇用転換ルールの例外として扱われる場合があります。

無期雇用で働くメリット・デメリット

無期雇用で働く際に把握しておくべき主なメリットとデメリットは次の通りです。

メリット

無期雇用のメリットとして、収入が安定しやすいことが挙げられます。契約期間の定めがないため、雇止めを心配せずに安定的な就労が可能です。また、同じ企業で長く働くことで仕事内容に慣れ、スキルアップしやすい点も無期雇用で働くメリットです。

デメリット

無期雇用のデメリットは、あくまでも雇用期間が無期限となるだけで、待遇や報酬などの条件は向上しない場合があることです。また、企業の就業規則によっては、無期転換後にフルタイム勤務などの働き方を義務付けられる可能性もあります。

まとめ – 無期雇用について理解した上で働き方を選びましょう

無期雇用は期間を定めずに働ける雇用形態です。無期契約社員や無期雇用派遣などが無期雇用に含まれます。2012年の法改正により、一定の条件を満たした労働者が無期転換できるルールが定められました。無期雇用には安定的に働けることやスキルアップのしやすさなどのメリットがあります。一方、待遇や報酬が向上しない場合があることがデメリットです。無期雇用の特徴や条件を理解した上で、自分に合った働き方を選びましょう。

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