更新日:2024年11月01日

試用期間でも退職できる? 退職理由の伝え方や注意点など

試用期間中に何らかの理由で働き続けることが難しいと感じ、退職が可能か調べているという方もいるのではないでしょうか。試用期間中に退職すると、その後の転職活動などに影響する場合があるため注意が必要です。

この記事では、試用期間中に退職することの可否やメリット・デメリット、退職理由の伝え方などについて解説します。

試用期間中の退職は可能か?

結論からお伝えすると、試用期間中であっても退職することは可能です。ただし、退職に際してのトラブルを避けるために、会社の規定を確認して適切に手続きを進めることが大切です。

試用期間とは何か?

試用期間とは、新入社員の適性や能力を見極め、本採用の判断を行うために設けられる期間です。一般的に、数ヶ月間の試用期間が設けられ、問題なく働き続けられそうかが判断されます。

試用期間は正式な雇用契約が締結される前の段階であり、給与などの待遇が本採用後と異なる場合もあります。

試用期間中の退職の法的な扱い

雇用期間が定められていない無期雇用の場合は、民法第627条第1項に基づき、退職日の2週間前に会社に申し入れれば試用期間中でも退職できます。

一方、有期雇用の場合、民法第628条に基づき、契約期間が終了するまでは原則として退職ができません。ただし、健康状態の急変や身内の介護などやむを得ない事情がある場合には、即日退職が認められることもあります。

試用期間中に退職するメリットとデメリット

試用期間中の退職にはメリットとデメリットの両方があるため、よく確認した上で退職するか判断することが大切です。ここでは、試用期間中に退職するメリットとデメリットを紹介します。

試用期間中に退職するメリット

試用期間中に退職するメリットとして、業務内容や職場環境が自分に合わない場合に、心身への負担を軽減できることが挙げられます。また、転職先を早めに探し始められることも、試用期間中に退職するメリットです。特に、新卒から3年未満の場合は、第二新卒という扱いで新たな職場を探せます。

試用期間中に退職するデメリット

試用期間中に退職する主なデメリットは、次の就職先を探す際に、企業の採用担当者からネガティブに捉えられてしまうリスクがあることです。前職を試用期間中に退職していることから、次の会社でも長続きしないのではないかと懸念される可能性があります。

試用期間中の退職理由の伝え方と注意点

試用期間中に円満に退職するためには、退職理由の伝え方やタイミングが重要です。ここでは、退職理由の伝え方や退職届の書き方、提出方法などについて解説します。

円満退職のための理由の伝え方

試用期間中に円満退職するためには、理由を明確に伝えることが大切です。例えば、「身内の介護のために働き続けることが難しくなりました」や、「仕事の内容が自分に合わないと感じるため、退職を希望しています」などの理由を伝えましょう。

もし職場環境や特定の従業員に不満があったとしても直接的に表現するのではなく、あくまでも「自分には合わなかった」という伝え方にすると穏やかな印象となります。

上司への退職意思の伝え方とタイミング

退職の意思は、試用期間中にお世話になった上司に口頭で申し出るほうが丁寧です。上司からパワハラを受けたなどのトラブルがなければ、退職の意思はできる限り上司に直接伝えましょう。

伝えるタイミングは早めの方が無難で、遅くても退職希望日の2週間前には上司に相談すると円満に退職しやすくなります。

退職届の書き方と提出方法

試用期間中に退職する場合であっても、正式な書類として退職届を提出することが推奨されます。口頭で退職の意思を伝えた上で、退職届を作成して上司または人事部の担当者に提出しましょう。

退職届に記載する項目は、退職理由と退職する日付、退職届の提出日、自身の所属と氏名、宛先となる企業名と代表者名です。退職理由は詳細に書く必要はなく、「一身上の都合」と記載することが一般的です。

試用期間中の退職が転職活動に与える影響

試用期間中に退職すると、その後の転職活動に影響する場合があります。次のようなポイントに注意して、転職活動への影響を最小限にしましょう。

転職先への説明方法

転職先の採用面接で、試用期間中に退職した理由を説明する際は、できる限り前向きな表現で伝えることが重要です。履歴書に退職理由を記載する際、基本的には「一身上の都合」でかまいませんが、相手に誤解を与えないよう簡潔に理由を添えておくのもおすすめです。

退職理由を正直に伝えた上で、より自分に合った仕事や長く働ける仕事を探していることなどを説明すると、より良い印象となります。

休職と転職活動のバランス

健康上の理由などで試用期間中に退職した場合には、休職と転職活動のバランスを取ることが大切です。退職後すぐに転職活動に取り組むと十分な休養が取れない可能性があるため、心身の状態が整ってから転職活動を始めましょう。

まとめ – 試用期間中の退職は慎重に

試用期間中であっても、退職することは可能です。ただし、試用期間中に退職をするとその後の転職活動に影響する場合があるため、メリットとデメリットを把握した上で検討する必要があります。退職の手続きを行う際は、この記事で解説した退職理由の伝え方やタイミング、退職届の書き方などを参考に円満に退職できるようにしましょう。

退職についてご検討中の方は、下記の記事もあわせて参考にしてください。
退職願・退職届の書き方|基本を分かりやすく解説

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