更新日:2024年11月15日

転職したら住民税はどうなる? 必要な手続きや納付方法など

転職するにあたって、住民税についてどのような手続きが必要か気になっている方もいるのではないでしょうか。転職時の住民税の納付方法は、転職するタイミングなどの条件によって異なります。手続きが遅れてしまうと期間内に納税できず、延滞金が発生するリスクがあるため、早めの対応が大切です。

この記事では、転職後の住民税の基本的な仕組みや転職時期による納付方法の違い、必要な手続きなどについて解説します。また、転職と同時に引っ越しをする場合の住民税の手続きも紹介するため、該当する方はぜひ参考にしてください。

転職後の住民税の基本的な仕組み

個人に課税される住民税とは、市区町村に納める税金と、都道府県に納める税金の総称です。住民税の金額はある年の1月1日から12月31日までに得た収入に応じて計算され、翌年の6月以降に納付する仕組みとなっています。

前職の給与からの天引き

会社員として給与所得を得ている場合、住民税の納付方法は「特別徴収」と呼ばれる仕組みで、毎月支払われる給与から自動的に天引きされます。転職する場合には、転職先の会社で特別徴収を続けるか、自分で税金を納付する「普通徴収」を行うかによって、異なる手続きが必要です。

転職時期による住民税の納付方法の違い

退職時点で転職先が決まっていない場合や、転職先で働き始めるまでに期間が空く場合は、退職するタイミングによって住民税の納付方法が異なります。転職時期による住民税の納付方法の違いは次の通りです。

1月から5月に退職した場合

1月1日から5月31日までのタイミングで退職する場合は、退職月から5月までの給与が発生せず天引きできなくなる都合上、残りの住民税は最後に支払われる給与から「一括徴収」という形でまとめて徴収されます。ただし、一括徴収の税金額が最後に支払われる給与額を上回っていた場合は、納付できなかった差額分を普通徴収で後日支払う必要があります。

6月から12月に退職した場合

6月1日から12月31日までのタイミングで退職する場合は、退職月までに納めるべき住民税は給与から自動的に天引きされます。その後に納める分の住民税については、普通徴収による納付手続きが必要です。

転職後の住民税の手続き

転職後に、転職先の会社からの特別徴収で住民税を納付したい場合には、決められた期間内に次のような手続きを行いましょう。

給与所得者異動届出書の提出

まずは、転職前の会社から「給与所得者異動届出書」という書類を発行してもらいます。その後、転職先の会社に書類を提出し、市区町村に提出してもらうことで特別徴収を継続できます。

給与所得者異動届出書の提出期限は、退職した月の翌月10日です。書類の発行や提出に時間がかかる可能性があるため、できるだけ早く手続きを進めておきましょう。

手続きが間に合わない場合

退職後、給与所得者異動届出書の提出が間に合わなかった場合には、住民税の納付方法が自動的に普通徴収へと切り替わります。普通徴収に切り替わると、すぐに自治体から納付書が届くため、期日までに支払い手続きを済ませましょう。

もし、退職から2か月程度待っても納付書が届かない場合には、市区町村の窓口へ問い合わせて状況を確認してください。住民税の支払いが遅れると延滞金が発生するため、早めに手続きを行うことが大切です。

転職と引っ越しが同時な場合の住民税の手続き

住民税は、1月1日時点で住民票がある市区町村に対して納付する仕組みとなっています。そのため、転職と同時に他の市区町村へ引っ越しをした場合には、住民票を移す手続きが必要です。

住民票を移す際には、まず引っ越し前のタイミングで市区町村に転出届を提出し、転出証明書を受け取りましょう。次に、引っ越し先に転入してから14日以内に、引っ越し先の市区町村に転出証明書と転入届を提出すれば手続きは完了です。

住民税を納める市区町村は常に一か所のため、引っ越したからと言って住民税が二重払いとなる心配はありません。

手続きの注意点

引っ越しをしたにもかかわらず、住民票を移す手続きを行わなかった場合、住民基本台帳法に違反するため注意が必要です。住民基本台帳法では、正当な理由なく住所変更を行わなかった場合の罰則として、5万円以下の過料が定められています。住民票を滞りなく移せるように、手続きの流れを予め把握しておきましょう。

まとめ – 転職後は適切に住民税の手続きをしましょう

転職をする際には、状況に応じて住民税の支払い方法が異なります。転職先が決まっている場合は、給与所得者異動届出書を提出することで、特別徴収の継続が可能です。転職先が決まっていない場合や転職までに期間が空く場合には、退職のタイミングなどによって最後の給与から一括徴収されるか、自分で支払う普通徴収になるかが決まります。住民税の納付が遅れると延滞金が発生してしまうため、転職後の手続きは適切に行いましょう。

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