ご教示とは? ビジネスシーンでの使い方やご教授との違いなど

メールなどで「◯◯についてご教示ください。」という言い回しを見たことはありませんか。「ご教示」は、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。似ている言葉に「ご教授」がありますが、意味が異なるため正しく理解しておく必要があります。
この記事では、「ご教示」と「ご教授」の違いやビジネスシーンでの使い方について解説します。「ご教示」の意味を把握し、ビジネスシーンで適切に使用できるよう、ぜひ参考にしてください。
ご教示とは?
ご教示とは、何らかの情報を教えてもらうことを指す丁寧な表現です。ビジネスシーンでは、仕事の進め方や作業内容、スケジュールといった情報を教えてもらいたい場合に「ご教示」という表現を使います。
「ご教示」と「ご教授」との違い
「ご教授」も、情報を教えてもらうという意味を持つ言葉です。ただし、教わる期間や相手、内容などが「ご教示」と異なります。
教わる期間の違い
「ご教示」は、比較的短い期間で伝えられる内容を教わる場合に使います。一方、「ご教授」は数ヶ月や数年など、中長期に渡って教わる場合に使う表現です。
教わる相手の違い
「ご教示」は、上司や先輩といった目上の人から何かを教わる場合に使います。また、ビジネスシーンでは取引先の担当者や顧客などに対して「ご教示」を使うことも一般的です。
一方、「ご教授」は目上の人の中でも、専門的なスキルやノウハウを保有している相手から教わる場合に使われます。
教わる内容の違い
「ご教示」は、比較的簡単な内容や、すぐに分かる情報などを教えてもらう場合に使う表現です。一方、「ご教授」は学問や専門知識、業務に関するスキルなど、習得の難易度が高い物事について教わる場合に使用されます。
「ご教示」と「ご教授」の使い方のポイント
ビジネスシーンにおける「ご教示」と「ご教授」の使い方には、次のようなポイントがあります。
書き言葉で使用する
「ご教示」と「ご教授」はいずれも書き言葉で使用する表現です。そのため、メールやチャット、手紙などを使ったコミュニケーションで「ご教示」や「ご教授」を使いましょう。口頭での会話で使用すると、不自然な印象を与えてしまいます。
命令の表現と一緒に使用しない
「ご教示」や「ご教授」は相手を敬う表現のため、命令の表現と一緒に使うことは不適切です。例えば、「ご教示ください」や「ご教授願います」という表現は失礼に当たります。「ご教示いただけますと幸いです」や「ご教授いただけますでしょうか」など、正しい表現を選びましょう。
ビジネスシーンでの「ご教示」と「ご教授」の使い方
ここでは、ビジネスシーンにおける「ご教示」と「ご教授」の使い方について、例文を用いて解説します。
「ご教示」の例文
例文1:上司から書類の記入方法について教えてもらいたい場合。
「書類の記入方法について、お手すきの際にご教示いただけますと幸いです。」
例文2:取引先の担当者から、空いている日程を教えてもらいたい場合。
「次回の面談のスケジュールを調整するため、都合の良い日程をご教示いただけますでしょうか。」
例文3:顧客から会員番号を教えてもらいたい場合。
「詳しいご契約内容を確認致しますので、お客様の会員番号をご教示いただけますと幸いです。」
「ご教授」の例文
例文1:専門家から専門知識を教えてもらいたい場合。
「弊社の集客施策でより高い成果を出したいと考えています。〇〇先生のこれまでのご経験に基づく集客ノウハウをご教授いただけますと幸いです。」
例文2:弁護士から、法的な対応について教えてもらいたい場合。
「今回の法改正に対応するための方法や、注意すべき点についてご教授いただくことは可能でしょうか。」
例文3:長年指導してくれた上司に対して感謝を伝えたい場合。
「長年にわたりご教授いただきましたことに、心より感謝申し上げます。」
ビジネスシーンで使える「教えて下さい」を意味する言葉
「ご教示」と「ご教授」以外にも、ビジネスシーンで何かを教えてもらうことを意味する言葉として、以下のようなものがあります。
ご指導
「ご指導」は、目上の人から助言やアドバイスを受ける際に使う言葉です。例えば、「業務の進め方について、ご指導のほどよろしくお願いいたします。」といった使い方をします。「ご教示」や「ご教授」と異なり、「ご指導」は話し言葉でも使えます。
ご指南
「ご指南」はもともと武道や茶道、華道などを教わることを指す用語です。現在はビジネスに関するスキルや知識を教わる場面でも「ご指南」が使われます。例えば、「業務の効果的な進め方について、ご指南いただけますと幸いです。」といった使い方が可能です。
まとめ – 「ご教示」や「ご教授」を適切に使いましょう
「ご教示」や「ご教授」は、何かを教えてもらうことを丁寧に表現するための言葉です。「ご教示」は目上の人や取引先、顧客などから比較的簡単な内容を教えてもらいたい場合に使います。一方、「ご教授」は目上の人や専門家などから、習得にある程度時間がかかるような知識やスキルを教わる場合の表現です。今回ご紹介したポイントや例文を参考に、「ご教示」や「ご教授」を正しく使いましょう。