退職願・退職届の書き方|基本を分かりやすく解説
退職の手続きを円滑に進めるにあたり、退職願の書き方は押さえておきたい重要なポイントです。また、退職願と混同されやすい書類として退職届がありますが、目的や提出のタイミングが異なるため違いを理解しておきましょう。
この記事では退職願と退職届に関する基礎知識や書き方、提出方法、封筒の選び方などについて解説します。
退職願・退職届の基礎知識
まずは、退職願と退職届がどのような書類かについて解説します。退職願と退職届の違いや、辞表との違いは次の通りです。
退職願と退職届の違い
退職願とは、上司や人事部の担当者に対して、退職したい旨を打診するための書類です。一方、退職届は退職することが確定した段階で、退職する日付などを書面として届け出るためのものです。
辞表との違い
退職願・退職届と辞表は、届け出る人の役職に違いがあります。辞表は、企業の取締役や役員などの経営層や、公務員などが退職する時に届け出る書類です。一般の社員にとっての退職届が、経営層や公務員にとっての辞表に相当します。
退職願・退職届の書き方のポイント
退職願や退職届を書く際には、必要な項目を漏れなく記載することが重要です。ここでは、退職願や退職届の書き方について解説します。
退職願の書き方
退職願を書く際は、用紙の冒頭に「退職願」、本文の前に「私儀」と記載した上で、退職したい理由や退職希望日、退職願の提出日などの本文を書きましょう。「私儀」とは、正式な書面で自分のことについて述べる際の書き出しに使う言葉です。続けて、自身の所属や氏名、最後に提出先となる企業名および代表者名を記載します。
退職したい理由については詳細に書く必要はなく、「一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって退職したく、ここにお願い申し上げます。」などと記載することが一般的です。また、提出先の代表者名には敬称として「様」または「殿」を使用しましょう。
退職届の書き方
退職届の基本的な書き方は、退職願とほとんど同様です。用紙の冒頭に「退職届」、本文の前に「私儀」と記載した上で、退職理由や退職日、退職届の提出日などを記載します。さらに、所属や氏名、提出先の企業名と代表者名を書きましょう。
退職届に記載する退職理由は、退職願と同じく「一身上の都合により、〇年〇月〇日をもちまして退職いたします。」などと記載します。代表者名に付ける敬称についても、退職願の書き方と同じです。
文末表現の違い
退職願と退職届の大きな違いとして、本文の文末表現が挙げられます。退職願を出す段階ではまだ退職が確定していないため、「退職したく、ここにお願い申し上げます。」という文末表現を用いて退職を願い出る形をとります。一方、退職届は退職することが確定した上で申し出る書類のため、「退職いたします。」という文末表現を用います。
退職願・退職届の提出方法とタイミング
退職の手続きをスムーズに進めるために、退職願や退職届は適切なタイミングや方法で提出することが大切です。ここでは、退職願や退職届の提出について解説します。
提出する時期の重要性
退職願や退職届は、退職を決意したらできるだけ早いタイミングで提出することが推奨されます。退職希望日の1か月~2か月前などに提出すると、余裕をもって引き継ぎが可能です。
企業によっては、就業規則に退職願や退職届を出す時期が記載されていることがあるため、退職を検討する段階で確認しておきましょう。
提出時のマナーと注意点
退職願や退職届は、上司に直接手渡しすることがマナーとされています。健康上の理由などやむを得ない事情がなければ、退職願や退職届は対面で提出しましょう。直接の提出が難しい場合は、郵送による提出も可能です。
退職願や退職届を提出する際の注意点として、一度提出した後は基本的に撤回が難しいことが挙げられます。法律上は問題がないものの、退職願や退職届が受理されてから撤回することは難しい場合があるため、慎重に検討した上で決断しましょう。
封筒の選び方と書き方
退職願や退職届は、手渡しの場合であっても封筒に入れて提出することがマナーです。ここでは、封筒の選び方と書き方について解説します。
封筒の選び方
退職願や退職届を入れる封筒は、提出する用紙を三つ折りにして入れられるサイズのものが適切です。用紙がA4サイズであれば長形3号の封筒、B5サイズであれば長形4号の封筒を使用します。封筒の色は白色で無地のものを選びましょう。手渡しの場合は、郵便番号の枠が書かれていない封筒が適しています。
封筒の表面と裏面の書き方
封筒の表面には、「退職願」または「退職届」など、中に入れる書類の名称を中央に記載しましょう。封筒の裏面には、自分の所属と氏名を左下に記載します。
郵送する場合には、退職願または退職届を入れた封筒を、さらに一回り大きな封筒に入れた上で郵送の宛先を記載しましょう。
まとめ – 退職願・退職届の基本的な書き方を確認しておきましょう
退職願や退職届を出す際は、書き方や提出方法について理解しておくことが大切です。正しい方法で退職願や退職届を作成し提出することで、退職の意思が適切に伝わり、退職の手続きをスムーズに進めやすくなります。退職を検討している方は、今回紹介した書類の書き方や提出するタイミング、マナーなどを参考にしてください。