薬剤師の将来性と現状
【職場別】薬剤師の将来性と現状|将来性を不安視される理由とは?
国家資格であり、高い年収を狙える薬剤師は人気の職業の1つです。
しかし、その将来性については、不安視する声も多く見られています。
現段階では有効求人倍率も高く、売り手市場である状況に大きく変わりはありませんが、長い目でみると供給過多になることが予想されています。
また他にも将来性を不安視される大きな理由に、AIの普及による自動化の流れなどもあるでしょうが。しかし薬剤師の仕事全てがAIに代替されるわけでなく、全ての職場で薬剤師が飽和するわけでもありません。
そこで必要なのは、今後求められる薬剤師のあり方や基準に対して柔軟に対応していくことです。
その上で必要なスキルや資格を身につけ、慎重にキャリア設計していきましょう。
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薬剤師が将来性がないといわれる理由
1つ目の理由は、AIの普及です。
技術の発展により各業界でAIによるデジタル化が進んでおり、これまで人の手で行ってきた業務をロボットが代替している事例も増えています。
専門職である薬剤師はAIと無縁と思われていましたが、将来的にはAIに代替されると予想する声もあります。
実際に先進的な病院では、すでに薬剤師の行う業務の一部にロボットを導入しています。
しかし薬剤師は服薬指導や相談対応などを行います。
このような臨機応変な思考力が必要な対人業務はAIによる代替が難しいと言われています。
【薬剤師の飽和について】
薬剤師資格取得までの道のりは長く難しいですが、取得してしまえば基本的に資格失効はありません。
2年に一度の資格の更新義務はありますが、試験の再受験等も必要なく、届出のみで更新できます。
また、人気の職種であることからも、年々薬剤師の数は増加傾向にあります。
厚生労働省の「薬剤師の需給推計(案)」によると、2018年の届出薬剤師を基準に算出した結果、薬剤師の数は2045年で45.8万人に推移すると推計されています。
職場別にみる薬剤師の将来性
人々の生活や地域に密着するドラッグストアは年々市場規模も拡大していることから、薬剤師の職場の中でも特に将来性が期待できる職場の一つかもしれません。
ドラッグストアの中でも、一般薬だけでなく処方箋を扱う調剤薬局を併設したドラッグストアも増えていることから、薬剤師の需要は今後も増加することが見込まれます。
【調剤薬局】
調剤薬局は薬剤師の代表的な就職先の一つです。
そのため、調剤薬局で働く薬剤師の数は増加傾向にありますが、将来的に調剤薬局の規模は縮小していくといわれています。
人口減少に伴う処方箋の減少に加え、2019年の法改正による薬局事務員の業務代替が可能になったためです。
こうした背景から薬剤師の担当業務も減少しつつあります。
【病院】
高齢化による在宅医療の増加により、薬剤師の需要も高まることが予測されます。
しかし他の職場よりも低めな給与水準やや人間関係、業務のハードさもあり、薬剤師の職場としては人気があまり高くありません。
しかし近年では給与水準の低さについて問題視されており、今後は給与改定・見直しの可能性もあります。
今後の動きが期待できる分、比較的に将来性のある職場といえるでしょう。
【製薬企業】
ジェネリック医薬品の台頭に伴い、製薬会社での薬剤師需要は減少しています。新薬開発の需要減少だけでなく薬価改定の影響も受けており、今後も将来性は縮小していくことが予測されます。
よくある質問
- Q.「将来性があると思って薬剤師になりましたが、薬剤師以外のキャリアも考えるべきなのでしょうか?」
- A.薬剤師の将来性は全盛期に比べると減少傾向にはありますが、薬剤師として働き続けたい気持ちがあるのならば、キャリアを変更するほどの心配はいらないでしょう。
ただし将来的に求められるのはこれまでのような調剤業務を中心とする薬剤師ではない可能性もあることを意識し、必要なスキルや知識を身につけていくことが必要です。
薬剤師としてのスキルアップを怠らず市場価値を高めること、そして職場の将来性も見極めてキャリア設計していくことが重要です。 - Q.「薬剤師は将来性がないとの声も多く聞かれますが、現状はどどうなのでしょうか?」
- A.薬剤師の有効求人数が年々低下している傾向から考えると、将来的に求人数は今よりも少なくなり、将来的に供給過多になる可能性は考えられます。
しかし現状は院外処方箋の発行数が伸びており、高齢化も進んでいることから、薬剤師の需要は高いといえます。
また都市部への人材流出により、地方では薬剤師不足な地域もあるため、地方でのキャリアを選ぶのも1つの道です。
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将来性のある薬剤師になるために必要なこと
供給過多になる将来を見据えて、薬剤師として仕事を続けていくには、自身が将来性のある薬剤師になることが求められます。
ここでは、将来性のある薬剤師になるために必要な3つのことをお伝えします。
【専門性を高める】
単に調剤ができるだけの薬剤師ではなく、専門性の高い薬剤師を目指すことが大切です。
たとえば一定期間内で所定の単位を取得することで認定される「認定薬剤師」は、薬剤師としての専門性をアピールするのに最適な資格です。
さらに認定薬剤師の上位資格である、各分野に特化した専門薬剤師の認定を受けることで、より専門性の高い薬剤師として市場価値が高まります。
【マネジメント能力・コミュニケーション能力を身につける】
AIには代替できない薬剤師の仕事の1つにコミュニケーションがあります。
薬剤師はただ調剤するだけでなく、患者さまの体調を気遣ったり、不安を解消してあげたりすることも大切な業務の1つです。
患者さまのニーズに応えられる、そして現場で頼られる薬剤師として円滑に仕事を進めるためにも、コミュニケーション能力をアップさせることは重要です。
また、薬局を管理する管理薬剤師や、認定・専門薬剤師を育成する指導薬剤師は需要の高い存在です。
マネジメント能力も兼ねている薬剤師として活躍するためにも、管理薬剤師や指導薬剤師の資格取得を目指すのも良いでしょう。
【在宅医療の経験とスキルを身につける】
高齢化の進展により、在宅医療の需要が高まりつつあります。
実際に地域に密着する調剤薬局やドラッグストアでは、在宅医療への取り組みが推進されています。
そのため在宅医療の経験や知識があることで、今後も重宝される薬剤師になることが期待できるでしょう。 -
将来性を見据えて転職する薬剤師の注意点
【転職の繰り返し】
薬剤師に限ったことではないですが、むやみに転職を繰り返すのはやめましょう。
有効求人倍率も高く、免許の必要な専門職であることから薬剤師は転職しやすい職種です。
そのため転職を繰り返してしまう方も少なくありません。
しかし転職の繰り返しがマイナスとなり、その後の転職活動に悪影響を及ぼす可能性もあります。
薬剤師に限ったことではないですが、転職を繰り返していることで「すぐに辞めてしまう人材なのではないか」などネガティブな印象を持たれてしまいます。
それが理由で転職がうまくいかず、最悪のケースでは不採用につながることもあります。
一回一回の転職を慎重に考えて選考に臨むようにしましょう。
【年齢の上昇と共に転職が難しくなることもある】
職場によっては経験豊富なミドル世代の採用に積極的なケースもありますが、薬剤師も年齢の上昇とともに転職が難しいと言われています。
職場でいえば、大手企業の調剤薬局や規模の大きい病院、企業への転職は年齢が上がると転職が難しい現状です。
そのため転職を考えている場合には、早い段階からキャリア設計を考えておくことが重要です。 -
薬剤師の仕事と将来なくなる仕事について
将来性のある薬剤師になるためには、薬剤師にしかできない仕事のスキルアップが大切です。
そのため薬剤師にしかできない仕事と将来なくなる仕事について押さえ、自分が今後のどんなスキル・知識を身につけるべきかを明確にしましょう。
【将来なくなる可能性の高い仕事】
・薬の用意
・在庫の管理
・調剤済み薬剤のチェック
・散薬軽量や錠剤取り揃え
【薬剤師にしかできない仕事】
・対人業務
・患者の健康管理や服薬管理
・調剤薬の確認
薬剤師の仕事は、病気が存在する以上なくなることはありません。
しかし、これまで求められていた調剤業務を中心とする薬剤師はなくなると言われています。
今後は調剤だけでなく、対人業務を軸にした薬剤師の仕事が重視されるでしょう。 -
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この記事の監修・著者プロフィール(株式会社クリエイト Webマーケティング担当)
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