デカップリングの意味とは|英語表記や語源を解説
デカップリングとは?意味を徹底解説(環境分野や株・金融・農業で使う言葉)
今回の記事では「デカップリング」という言葉を紹介します。あまり耳慣れない単語かもしれませんが、経済界・環境問題・農業・金融・株といった幅広い分野で使われている専門用語です。
国家戦略として「グリーンエネルギー革命(グリーン政策大綱)」も掲げられており、環境問題への取り組みでも「デカップリング」という言葉が使われるようになってきました。
また、世界経済の牽引役だったアメリカと世界経済が連動しなくなる(分離する・切り離す)という経済分野でも使われています。
それでは、「言葉の意味」「どのような分野・業界で使われているのか」、1つ1つの疑問について、詳しく解説していきましょう。
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デカップリングの英語・意味や語源
一般的にも使われているカップル(couple)という言葉ですが、「連動する」「連結する」という意味があります。それを否定する「de」が付き、「デカップリング(Decoupling)」という言葉が生まれました。
「分離する」「切り離す」という意味で、連動性のある2つを政策的に分離させ連動しなくなることを意味しています。
よくある質問
- デカップリングの英語の意味とは
- 英語表記は「デカップリング(Decoupling)」です。意味は「分離する・切り離す」。
「連動する」「連結する」という意味のcouple。それを否定する「de」が付くことで、「デカップリング(Decoupling)」という言葉が生まれています。 - 環境分野におけるデカップリングの意味とは
- 一般的に社会生活を送る上で、「経済成長に比例してエネルギー消費は必ず増えてしまう」と考えられてきました。経済・産業が発展していけば当然電力やガス等のエネルギー消費は増えていくので、当然と言えるでしょう。
環境分野におけるデカップリングの意味とは、上記のような考え方に対して「一定の経済成長や便利さを維持しつつも、省エネを実現する」。両者を「切り離す・分離させる」という考え方です。
現在では多くの業界で資源の再利用・環境改善につなげる動きが盛んですが、今までになかった手法を駆使することで省エネを実現し、デカップリングする動きが進んでいます。
日本は家電等の進化により世界でも省エネが進んでいる国と言われてきましたが、エネルギー消費が増え続けてきました。そして火力発電の比率も高くCO2排出量の問題も抱えています。
そうした中で、日本でも少しずつデカップリングの傾向が出始めていると言われています。 - 環境分野における海外のデカップリング事例
- 環境問題への取り組みが盛んなドイツでは、近年日本以上に高い経済成長を続けつつ、エネルギー消費や温室効果ガスを減らすことに成功しています。
再生可能エネルギーの導入比率が日本は2018年実績で約16~17%。対してドイツは約40%と大きく引き離されています。
ドイツのエネルギー省が出している統計によると、主な再生可能エネルギーが以下の比率になっています。
風力発電:20.7%
太陽光:7.6%
バイオマス発電:8.3%
日本でも洋上風力発電やバイオマス発電の研究が進んでおり、少しずつ再生可能エネルギーの比率を高める取り組みが行われています。
再生可能エネルギーとは|水素発電、洋上風力発電を詳しく解説
バイオマス発電とは/特徴・課題を解説 - 株・金融・経済分野での「デカップリング」の意味とは
- 経済分野・株・金融業界でのデカップリングとは、主に「世界経済」と「アメリカ経済」が連動しなくなることを指しています。(2国間の経済や市場などが連動していないこと)
第二次大戦後、アメリカは世界経済の牽引役でした。しかし、近年は中国やEU(欧州連合)の存在感が増しており、アメリカ経済の影響力が下がってきています。
(「デカップリングが起きている」と考えられている)されています。
とは言えまだアメリカ経済の影響力は大きく、例えば2008年に起きたアメリカのリーマンショック(サブプライム問題に端を発した世界経済危機)では、その影響力が再確認されました。
リーマンショックとは?株価の影響やサブプライムローン問題
ただ、近年では米中貿易摩擦等の影響もあり、デカップリングの考え方を疑問視する声もあります。
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農業分野でのデカップリングの意味とは
農業分野では、農家に所得保障をすることをデカップリング政策と呼んでいます。
他の分野で使われているのと同様に、「2つの効果を切り離す」事を意味する言葉で、一般的に農家に対する「直接的所得補償政策」として使われています。
(直接的所得補償政策とは、お米農家の減反に対する奨励金政策です。お米を作り過ぎないように生産調整し、その分の所得補償を農家に対して行います)
※減反のメリット・デメリット
メリットは、「政府の方針に従いながら生産していれば、収入がある程度確保される」ことでしょう。日本政府が生産量や価格を決めるため、農家の生活は安定しやすくなります。
デメリットは、「自らの経営判断で米の生産を行いにくくなる」という部分です。経営者のやる気を失わせてしまい、自由な発想が生まれてこなくなります。農業の自由化が進んだ後、日本の生産者が海外の生産者に負けてしまうようになるでしょう。
そういったメリット・デメリットの双方を考慮し、2018年に減反政策は廃止されました。 -
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