新卒で会社を辞めたい|新卒離職の実態や辞めてよいケース、注意点など
新卒で会社を辞めたい|新卒離職の実態や辞めてよいケース、注意点など
就職活動を乗り切り、期待と希望を胸に新卒で入社した会社であっても、さまざまな理由から「会社を辞めたい」と悩んでいる方は多くいます。
新卒は一種のステータスであり、将来的なキャリアを築いていくための重要な土台です。
そのため実際に会社を辞めたいと思っていても、本当に辞めて良いのかは悩ましい点です。
今回は新卒離職の実態を踏まえて、新卒でも会社を辞めて良いケースや辞める注意点、その後の転職を成功させるためのポイントなどをお伝えします。
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新入社員の離職者の実態
下記は厚生労働省データによる、平成30年における入社1年以内での新入社員の離職率です。
※事業所規模別
・5人未満:30.4%
・5〜29人:23.4%
・30〜99人16.1%
・100〜499人:11.7%
・500〜999人:9.5%
・1000人以上:7.9%
厚生労働省「新規大卒就職者の事業所規模別就職後3年以内の離職率の推移」
直近のデータでは、入社1年以内でも最大で3人に1人が辞めていることがわかります。
なお新入社員が入社1〜3年以内で離職するのは、最近の傾向というわけではありません。
同じく厚生労働省のデータによると、平成25年の新入社員の入社3年以内の離職率は以下のような結果です。
※最終学歴別
・大学:31.9%
・短大等:41.7%
・高校:40.9%
・中学:63.7%
厚生労働省「新規学卒者の離職状況(平成25年3月卒業者の状況)」
大卒の新入社員は、事業規模別にみると最大で59.0%が入社3年以内に離職しています。
実際に辞めることが正解とは限りませんが、新卒で辞めること自体は決して珍しいことではありません。
新卒だけど辞めたい、よくある退職理由
そこから実際に退職に至った方も少なくありません。
ここでは新卒が辞めたいと思い、退職に至ったよくある理由をみていきます。
【仕事が合わなかった】
実際に入社してから、仕事が自分に合わないとギャップを感じるケースは珍しくありません。
新卒での就職は当然ながら社会経験がない中で企業を決めるため、実際に働いてから感じるギャップも多くなってしまいます。
その中で「希望の部署に配属されなかった」「イメージしていた仕事内容をかけ離れていた」といった理由で、退職する方もいます。
【労働環境が良くない】
サービス残業が多い、休日出勤がある、給料に見合わない仕事量であるなど、労働環境が良くない点で退職を決める方も少なくありません。
労働環境が良くないと心身ともに疲労やストレスによるダメージが大きく、働くモチベーションも下がってしまいます。
そのまま仕事を続けることで体調を崩してしまい、将来的にダメージを受けてしまう点を考えて退職を決断する方もいます。
【職場の人間関係が良くない】
上司のパワハラや職場内での嫌がらせなど、人間関係が理由で退職する方も多くいます。
人間関係の悩みは社会にいる限り尽きないものであり、実際に入社しないとわからない難しいものです。
精神的にダメージを受けやすい点からも、退職に直結しやすいといえます。
新卒1〜3ヶ月で辞めたい!辞めても良いケース
しかし、状況によっては辞めた方が良いケースも存在します。
ここでは、新卒でも辞めて良い3つのケースをお伝えします。
【パワハラやセクハラを受けている】
パワハラやセクハラを受けていると、自覚している以上に精神的ダメージを被ります。
我慢し続けた結果、鬱など精神的な病を発してしまうと、その後中長期的に社会に復帰できなくなってしまう可能性もあります。
そうならないためにも、パワハラやセクハラで悩んでいる場合には早めに退職を検討した方が良いでしょう。
【長時間労働やサービス残業が多い】
法定以上の長時間労働やサービス残業が多い、いわゆるブラック企業である場合も辞めた方が良いでしょう。
パワハラやセクハラと同様に鬱になる可能性も高く、業務内容によっては自分の成長につながらない無意味な時間を過ごしていることになります。
我慢できると思っていても、いつ自分が負担に耐えられなくなるかわかりません。
長期的な視点で考えて、転職を検討する方が自分のためになるといえます。
【会社の経営状況が良くない】
会社の経営状況が良くなく、倒産するリスクが高い場合にも辞めることを検討すべきです。
この点は入社前に把握しておくべきポイントですが、入社後にいきなり状況が変わっている可能性もあります。
経営状況が良くないと残業代だけでなく、最悪のケースでは給料が支払われないリスクも考えられます。
経営状況が良くない場合には、自分が損しないためにも早めに転職することがおすすめです。
新卒辞めたいの仕事体験談
新卒の転職体験談:辞めて良かったこと
[20代 男性]
大手企業にITエンジニアとして新卒入社しましたが、入社直後の3ヶ月間の泊まり込みでの新人教育期間にストレスから体調を崩してしまいました。
その後、新しく配属された部署で症状が悪化し、入社1年で辞めました。
給与面や元同期の活躍を考えると辞めたことを後悔することもありますが、自分を守るためにも辞めてよかったと思います。
新卒の転職体験談:辞めて良かったこと
[20代 女性]
医療機関を新卒入社4ヶ月で辞めました。
人間関係や職場の雰囲気がとにかく悪く、先輩からの嫌がらせじみた行動で体調を崩してしまいました。
辞める決定打となったのは耳が聞こえなくなったことです。
新卒入社のステータスを失う怖さはありましたが、辞めたことで体調も回復し、辞めたことに後悔はありません。
新卒の転職体験談:辞めて大変だったこと
[20代 男性]
新卒で入社した大手企業を3ヶ月で退職しましたが、辞めて大変だったのは転職活動が長引いたことです。
大体1ヶ月、長くても3ヶ月で転職先が決まると思っていましたが、実際は半年かかりました。
転職活動期間が長引くにつれて、どんどん不安が増していった点は辞めて大変だったことです。
よくある質問
- 新卒で入った会社からベンチャー企業への転職を検討しています。ベンチャーに入って辞めたいと思う理由にはどんなものがありますか?
- 働き方の自由度が高い、個人の裁量が大きいなど魅力的な面も多いベンチャー企業ですが、よくある辞めたいと思う理由には以下のような内容が挙げられます。
・激務で労働環境が良くない
・社風が合わない
・会社の成長性が感じられない
・周りの人と合わない
特に大企業からベンチャー企業へ転職すると、労働環境や待遇、福利厚生などが整っていない点にギャップを感じやすいです。
また個人の裁量が大きくやりがいがありそうと思っていても、実際には1人あたりに業務量が多く、激務で自分の時間が取れないということも。
社風は事前に判断しやすいポイントですが、会社の成長性は急変する可能性もあり、職場の人間関係も入社後でないとわからない点が多いものです。 - 新入社員ですが、すでに辞めたいです。辞める適切な時期はありますか?
- 新卒が辞める適切な時期は、求人数が増える7〜10月と2〜3月です。
9月〜10月は下半期への移り変わりの時期でもあることで退職者も増え、企業も人材確保のために通常より求人を多く出します。
そして2〜3月は年度変わりの時期でもあるため、人員補充を行う企業が増えるため求人数が増加する傾向にあります。
そのため10月、または4月入社を目指すスケジュールで会社を辞めて、転職活動に臨むことがおすすめです。
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新卒で辞める際の注意点
【経歴に傷がつく】
新卒に限らず、短期離職は経歴に傷が付きます。
会社としても採用コストをかけた中で、すぐに辞められてしまっては損となります。
そのため、短期離職の経歴があると書類選考で不利になりやすくなってしまう点は要注意です。
【転職の難易度が高い】
上記と関連しますが、短期離職の経歴があることで「またすぐ辞めてしまうのでは」と不安視されやすい点で転職の難易度が高くなります。
また新卒で日が浅いほど、社会人としての経験やスキルが十分ではありません。
新卒入社3年目までは第二新卒としてポテンシャルが評価される点がメリットですが、社会人経験が少なすぎると不利になりやすい点は要注意です。
特に今の会社よりも大手に転職するのは、より厳しくなるでしょう。
【失業手当が受けられないケースがある】
日本には雇用保険制度があるため、自己都合であっても会社を辞めたら失業手当が受けられます。
しかし失業手当が受けられる条件は、12ヶ月以上同じ会社に勤務していることです。
そのため新卒入社から12ヶ月未満で辞めてしまった場合、失業手当が受けられません。
辞めてから転職活動することを検討している場合、「実家で暮らしている」といったケースでない限り失業手当が受けられないと生活に支障がでてしまいます。 -
新卒で会社を辞めると決めたら!転職に成功するためのポイント
新卒で会社を辞めることはリスクも伴いますが、辞める決断が自分にとってプラスになることもあります。
新卒で会社を辞めると決めたら、その後の転職に成功するためにも以下ポイントを押さえて転職活動に臨みましょう。
【転職軸を明確にする】
転職の軸が明確であれば、自分に合った転職先が見つけられます。
漠然と辞めただけでは、また転職先で同じような悩みに直面する可能性が高まります。
そのため「今の会社を辞める理由」「転職先に求める条件と優先順位」を明確にすることがポイントです。
一度ついた短期離職の経歴は変えられないため、転職先で同じ状況にならないようにすることが大切です。
【キャリアプランを考える】
「またすぐ辞めてしまうのでは」と思われないようにするためにも、中長期的なキャリアプランを考えておくことがポイントです。
新卒で辞めても、第二新卒はポテンシャルや熱意を重視して採用する企業が多くあります。
しかしいくら熱意やポテンシャルがあっても、前職を短期離職している事実は採用担当者を不安にするものです。
その点の不安を払拭するためにも、転職先での将来のビジョンも考えていることをアピールしましょう。
【自己分析・業界研究を徹底する】
就職活動でも行う自己分析・業界研究ですが、転職するにあたりもう一度徹底してやり直すことが大切です。
なぜなら、実際に働いたことで自分の適性や興味関心、業界への知識や見方が変わっているからです。
特に「社風が合わない」「仕事内容が合わない」などして会社を辞める場合には、転職先のミスマッチを防ぐためにも自己分析・業界研究を徹底してください。
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