クレーン運転士になるには？転職や求人応募に役立つ資格や仕事内容を解説！

クレーン運転士とはどのような仕事をする人なのかを、クレーンとは何かを説明したうえで解説します。

【クレーンとは】
クレーンは大きな荷物を吊り上げて、原則、水平に移動させる巨大な装置と定義されます。
クレーンは工場、港、建設現場などの大きい荷物や重い荷物、荷物が大量にある現場で使用されます。
作業現場にはさまざまな荷物がありますが、現場の規模が大きくなるほど荷物は重く大量になるでしょう。
そこで、クレーンを使って動力のパワーで荷物を吊り上げて移動させるのです。

【クレーン運転士とは】
クレーン運転のポイントは、重量物を吊るして狭い範囲内で動かすところにあります。
吊るしているので荷物は不安定な状態になりぶらぶら揺れて危険です。
また、狭い場所では人口密度が高くなるので、荷物が人にぶつかってしまうリスクが高くなり、重量物なので重大な事故になりかねません。
したがって、クレーンの操縦には高いスキルが必要になるので、クレーン運転士という専門職が必要になるのです。

クレーンには固定式と移動式があります。
それぞれ異なる種類のクレーンがありますのでみていきましょう。

【固定式クレーン】
クレーンは複数の部品で構成されているのですが、クレーン全体が一定箇所に固定されているので固定式と呼ばれます。

天井クレーンは工場などの建物の天井に据え付けたクレーンです。
天井にはクレーンを移動させるレールがあり、レールの範囲内で荷物を移動させることができます。

ガントリークレーンは港にある設備で、港に置いてあるコンテナを貨物船に積んだり、貨物船のコンテナを港に置いたりします。
ガントリークレーンの設置場所にはレールが敷いてあり、本体がレールの上を移動します。
本体が線路の範囲内でしか動けないので全体としては固定されていると考えるのです。

橋形クレーンは工場施設内の屋外の作業場に設置されています。
やはりレールが敷かれていて、アーチ状(橋形)の本体がレールの上を動くことで吊り上げた荷物を移動させる仕組みです。

タワークレーンは高層ビルの建築に使います。
建設中のビルの最上部などにタワークレーンを設置し、本体から伸びたアームにワイヤーを取りつけて荷物を吊り上げます。
タワークレーンがあることで、地上の荷物を最上部にまで持ち上げられます。

【移動式クレーン】
トラッククレーンはトラックの荷台部分にクレーン機能を取りつけた車両です。
トラックなのでどこにでも移動できます。
固定式クレーンはクレーンのところに荷物を運ばなければなりませんが、トラッククレーンならクレーンを荷物がある場所に運ぶことができます。

ホイールクレーンはトラッククレーンの大型版です。
トラッククレーンはトラックを改造してクレーンを載せていますが、ホイールクレーンは専用車体なのでより強固につくられています。

クレーン運転士になるにはどうすればよいのでしょうか。
クレーン運転士の資格または免許を紹介します。

【移動式クレーン運転士免許】
移動式クレーンを使って仕事をするには、移動式クレーン運転士免許が必要です。
取得方法はいくつかありますが、ここでは一般的な方法を紹介します。
まず教習所で実技運転講習を受けてから実技検定を受けます。
実技検定に合格すると、安全衛生センターで受ける試験のうち実技試験が免除されるので、学科試験だけ受けて合格すれば移動式クレーン運転士免許が発行されるという段取りです。

【大型特殊自動車免許】
大型特殊自動車免許は自動車免許の一種で、移動式クレーンで公道を走行するときに必要です。
移動式クレーンは現場まで自走できるところ優れているので、作業者は大型特殊自動車免許を取得しなければならないでしょう。
上記の移動式クレーン運転士免許は作業用の免許で、こちらの大型特殊自動車免許は公道を走るための免許です。

【移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育】
移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育を受けると、吊り上げ荷重1トン未満の小型移動式クレーンを仕事で操作できるようになります。

【小型移動式クレーン運転技能講習】
移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育の上級版になるのが小型移動式クレーン運転技能講習で、修了すると吊り上げ荷重5トン未満の小型移動式クレーンを運転できるようになります。

【玉掛け技能講習】
玉掛けとはクレーンのワイヤーの先端に取りつけられたフックに荷物を掛けたり、フックから外したりする作業です。
荷物を確実かつ適切に掛けないと移動中にバランスを崩すなどして落下する危険があるので、玉掛け専用の資格・免許があります。
玉掛け技能講習を修了すると吊り上げ荷重1トン以上の玉掛け作業に従事できます。

【クレーン・デリック運転士免許】
吊り上げ荷重5トン以上の天井クレーンや橋形クレーンなどを運転するには、クレーン・デリック運転士免許が必要になります。