土地家屋調査士の求人や資格の詳細
土地家屋調査士とは?求人・資格の詳細|転職に有利な資格
【土地家屋調査士の仕事内容】
不動産登記に基づく調査
土地家屋調査士は、土地や建物を登記簿に正しく反映するための調査や測量を行います。
地積測量図をもとに形状や所在を把握し、隣接所有者などの立ち合いを得るなどして、土地の境界となる筆界を確認。そのうえで正しく登記を作成します。
不動産登記の申請
土地や建物などの不動産所有者は、登記簿を登録しなくてはなりません。登記簿には、土地の形状などを特定するため、用途を示す「地目」、土地面積を示す「地積」など一般では使用しない専門用語もたくさん記載されています。
土地家屋調査士は、こうした情報を理解した上で調査と測量を行い登記申請をします。
筆界特定の手続き
土地の境界線を筆界と呼び、筆界を決定することを筆界特定と言います。土地の所有者が筆界手続きの申請を行う場合、筆界調査員の監査による土地の特定や資料の申請が必要になります。
この一連の煩瑣な手続きを代理で執行するのが土地家屋調査士です。
民間紛争解決手続き
筆界が正しくないことをめぐり、隣接地の所有者との紛争に発展することもあります。
この紛争を和解に導くために、土地家屋調査士は公正な第三者として民間紛争解決手続きを行うこともあります。
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土地家屋調査士の仕事の1日
土地家屋調査士の仕事スケジュールは、一例として以下のようなイメージです。
9:00 出社
↓
10:00 区画調査資料、座標図などの入手
↓
11:00 現地調査
↓
12:00 昼食
↓
14:00 クライアントとの打ち合わせ
↓
16:00 帰社・翌日の仕事の準備
↓
19:00 退社
土地家屋調査士の試験や難易度
土地家屋調査士の試験は毎年1回、10月の第3日曜日に行われます。
試験は筆記と口述に分かれており、筆記合格者のみ翌年1月に実施される口述試験を受験することができます。
口述試験は、15分程度の面接形式で行われます。
筆記試験は2部形式で実施され、午前の部が測量計算や作図に関するもの、午後の部では民法、不動産登記法、土地家屋調査法に関する試験となっています。
午前の部に関しては、測量士、測量士補、1・2級建築士の資格取得者は試験が免除されます。
令和元年の試験データによると、受験数は4,198人でそのうち合格者は406人です。
筆記試験が択一式のうえ、基準点を満たしていない科目は採点対象にならないため、令和元年の合格率は9.67%と、難易度は非常に高いといえます。
土地家屋調査士になるには?
土地家屋調査士になるためには、資格を取得し日本土地家屋調査士連合会に登録しなくてはいけません。
土地家屋調査士試験への受験資格は特に指定されておらず、だれでも試験をうけることができます。
試験合格後は、独立開業、もしくは土地家屋調査士事務所、司法書士事務所などに就職するパターンが多いようです。
土地家屋調査士の仕事体験談
土地家屋調査士の仕事体験談:働いてよかったこと
20代・男性
先輩の指導を受けながら業務に携わっています。
測量や調査の仕事は外に出る機会が多く、オフィスとのバランスが取れた職務内容が自分に合っていると感じています。
これからもっと経験を積んで一人で責任のある仕事がこなせる一人前の土地家屋調査士になりたいと思っています。
土地家屋調査士の仕事体験談:働いてよかったこと
30代・女性
大学のインターンで体験した測量や調査がきっかけで土地家屋調査士の仕事を知りました。
男性が大半を占める業界で、大変なこともありますが、その分やりがいも大きい仕事です。
不動産業界の中でも、そこに住む人と実際に相対する頻度が高いのが土地家屋調査士の特徴。
お隣との調整を円滑に進め、双方が納得いく形で仕事が進むと「この仕事やってて良かった」と実感します。
土地家屋調査士の仕事体験談:たいへんだったこと
50代・男性
土地の境界線を決める筆界の業務は、何度経験しても緊張する瞬間です。
土地は隣接者同士が納得を得られない場合は、現地で喧嘩に発展することもしばしばあります。
双方の合意を得るまで何年も要する案件もあり、交渉に難航することもしょっちゅうです。
しかし解決したときは一番やりがいを感じる仕事です。
よくある質問
- 土地家屋調査士の年収はどのくらい?
- 土地家屋調査士の年収は男女平均で、約250万円~474万円と非常に開きがあります。
土地家屋調査士は業務により報酬にも差があり、土地地積に関する登記や分筆では報酬が平均30万~40万円で、建物に関する表題登録などでは約8万円~15万円というところが多いようです。 - 土地家屋調査士試験は独学で合格できる?
- 独学で学習する場合は、長期戦を覚悟して、計画性をもって取り組みましょう。
土地家屋調査士の試験で特に重要なのは不動産登記法。専門用語の熟知や関連法規となる不動産登記規則や不動産登記事務取扱手続準則も網羅しておく必要があります。
さらに過去の登記例からも出題されるので、合格率を高めるにはかなりの学習量が必要になります。 - 土地家屋調査士試験合格に必要な勉強時間は?
- 土地家屋調査士の試験勉強に必要とされる時間は約1000時間といわれています。
毎日約1時間から2時間を目標にすると、1か月で50~60時間。概算で約1年から2年かかると予想できます。
土地家屋調査士の試験内容は、法律関連だけでなく計算や作図という作業も含まれます。
これらの試験対策にも、かなり時間がかかると考えておきましょう。
-
土地家屋調査士の求人傾向や転職状況
試験難易度の高さから新規参入者が少ない業態でもあるため、未経験でも実務を積むことで高い収入が期待できます。
また長く専門職として修業することも可能です。
採用選考にあたっては正確性と現地での行動力が備わっていることが重要視されるほか、クライアントとの円滑なコミュニケーションや法的専門知識をベースとした的確な判断力も資質として求められるでしょう。 -
土地家屋調査士のキャリアアップ
土地家屋調査事務所へ正社員就職
新卒で土地家屋調査士の仕事に就く場合、多くが個人あるいは法人の土地家屋調査事務所、あるいは測量事務所、登記事務所などに正社員として就職するのが一般的です。
この場合、実務経験を2,3年積んだあとに大手企業へと転職するケースもあるようです。
他業種から土地家屋調査士へ転職
土地家屋調査士は、高齢化のあおりを受け次世代の育成に問題を抱えています。
他業種からでも、土地家屋調査士の資格に合格すれば、大手企業や法人事務所への就職は可能です。
女性の業界進出に注力する企業も多く、家庭との両立や福利厚生の充実により、理想の職場環境を手に入れることも可能でしょう。
土地家屋調査事務所勤務から独立
土地家屋調査士は、実務経験を積んだあと独立経営を最終目標にする人が多くいます。
また初期投資がほとんどないため、独立しやすい業態ともいわれています。
もし独立を考える場合は、前職の間に CAD(設計・製図の支援システム)の勉強や行政書士、司法書士といった関連資格を取る人も少なくありません。
クライアントの確保に役立つだけでなく、独立後の事業をスムーズに進めることができます。 -
土地家屋調査士の将来性
土地家屋調査士の仕事は、専門職として長く就業できるものです。
都心部では、不動産の境界をめぐる紛争問題が深刻化しており、弁護士との共同受託で土地家屋調査士が活躍する場も増加傾向にあります。
土地家屋調査士だけでなく司法書士、行政書士といった資格も取得しキャリアアップを目指すこともできるでしょう。 -
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