新卒で1年目での転職は厳しい?転職のリスクや成功のポイント
新卒で1年目での転職は厳しい?転職のリスクや成功のポイント
新卒で入社したばかりであっても、不安や不満、入社前とのギャップなどさまざまな理由から転職したいと考える方も少なくありません。
実際に大卒者の3年以内の離職率は32.8%と、新卒で転職している方も増えつつあります。
転職は若いほど売り手市場にあると言われますが、一方で新卒1年目のように早すぎる転職ではリスクが生じることも。
また明確な目的や軸がなく、なんとなく転職活動をしていると、転職活動の長期化や転職した後に後悔するなどのリスクもあります。
そのため新卒での転職はリスクを押さえた上で本当に転職すべきかを考え、慎重に行動に移すことが重要です。
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新卒1年目での転職は可能?
新卒1年目での転職は、難易度は高いものの可能です。
新卒入社から1〜3年未満の人たちは「第二新卒」とも呼ばれ、第二新卒を対象とした求人も多く出ています。
しかし第二新卒の中でも新卒1年目での転職は、第二新卒が抱える「忍耐力がないのでは」「またすぐに辞めてしまうのでは」といったネガティブな印象を大きく与えてしまう可能性があります。
そのため転職は可能ですが、難易度が高いのです。
とはいえ、近年は新卒入社3年以内での離職率が30%を超えるなどしている状況から、新卒1年目の転職にも理解を示す企業が増えつつあります。
若さゆえのポテンシャルや伸び代に期待できるなどしてポイティブな面を見てくれる企業も多いため、明確な目的と意志をもった転職であれば成功する確率も高まるでしょう。
新卒1年目で転職すべきケース・そうでないケース
新卒1年目での転職は難易度が高い分、転職すべきか否かを慎重に考える必要があります。
一般的に3年は同じ会社で働くべきという意見が多いですが、最も重要なのは自分の意思です。
ただし、「なんとなく転職したい」と考えている方は、自分が転職すべきケースとそうでないケースのどちらなのかをチェックした上で、本当に転職すべきかを考えることが大切です。
【新卒1年目で転職すべきケース】
・やりたい仕事や目指すべきキャリアが今の会社では実現できない
・明らかに社風や風土が合わない
・過剰な残業やパワハラ、モラハラが横行しているブラック企業である
入社前に聞いていた・約束された事業所・部署に配属されず、目指すべきキャリアややりたい仕事ができない場合は転職すべきといえます。
ただし、何も行動を起こさず転職するのではなく、異動可否や異動できる時期を確認・交渉し、それでも納得できない・不可能であれば転職すべきです。
しかし希望する部署で働くために最初は必要な配属だったなど、意味があっての配属であれば転職しない方が良いでしょう。
また社風や風土など、価値観のギャップは時間をかけてもなかなか埋められるものではないため、転職が有効な手段といえます。
そして残業代が支払われないにもかかわらず過剰な残業をさせられる、パワハラやモラハラが横行しているなどブラックな企業であれば、精神的に追い詰められる前に転職すべきです。
【新卒1年目で転職しない方が良いケース】
・仕事にやりがいが感じられない
・周りの不満話や転職話に影響を受けた
・労働条件が悪い
新卒1年目ではスキルや経験が不足しているため、やりがいや責任のある仕事が任されにくいのは仕方のないことといえるでしょう。
そのため、「仕事がつまらない」「やりがいを感じられない」といった理由で転職した場合、努力しないまま逃げていると思われてしまうことも。
また、人の話に流されてなんとなく「会社が嫌だな」「転職したいな」という気持ちで転職するのはハイリスクです。
転職は明確な目的や軸がないと転職してもその先で失敗してしまうため、人に流されずに自分は自分と考えることが大切です。
そして、転職理由でも多く見られる労働条件ですが、それだけを理由に転職すると「労働条件を理由にまたすぐに辞めてしまうのでは」と思われる可能性があります。
誰しもが給与や福利厚生などの労働条件に100%満足して働いているとは限らず、転職先でも労働条件に満足できる保証はありません。
そのため、労働条件だけでなく「3年後、5年後にどうなっていたいか」「今後どうキャリアを築いていきたいか」など、長い目で見ることが大切です。
多少の我慢で現状のまま目指すべきキャリアが実現できる、スキルが身につけられるのであれば、その後の転職で納得のいく会社に転職できる可能性や選択肢の幅も広がります。
新卒で転職するリスク
・年収が下がる
・希望条件での転職が叶いにくい
・求人数が少ない
・またすぐ辞めるのではと不安を持たれる
新卒入社からより早期で転職すればするほどスキルや経験が不足していると判断され、年収が下がったり、希望する部署への配属が難しかったりするなど条件面が悪くなる可能性があります。
また、新卒1年目の場合、新卒採用が終わって採用状況も落ち着いていることから、求人数が少ない傾向にあります。
そのため希望する職種や勤務地への転職が難しい、条件にマッチする求人が少ない点もリスクの1つです。
そして避けられないリスクが、またすぐに辞めてしまうのではと採用担当者の目が厳しくなることです。
ネガティブな印象から入る以上、明確な目的や軸、説得力のある志望動機で挽回できなければ納得のいく転職は成功しないでしょう。
特に新卒1年目の転職であるほどそのリスクが高まるため、明確な転職理由や軸がない限り2〜3年は今の会社で頑張る方が無難であり、その後転職先の選択肢も広がります。
新卒転職の仕事体験談
新卒の転職体験談:23歳で転職して良かったこと
(23歳 男性)
新卒時に抱いていた仕事に対する価値観が就職してから根本的に変わり、入社6ヶ月で転職を決意しました。
人生の3分の2の時間を捧げる仕事であるからこそ時間を無駄にしないよう、専門的なスキルを身につけられる環境に身を置くことを軸に転職活動を始めました。
結果的に納得のいく企業から内定をもらえ、自分が理想とする環境で成長できるチャンスが掴めました。
新卒の転職体験談:23歳で転職して良かったこと
(23歳 男性)
新卒で一部上場企業に入社したものの、その理由はその会社しか受からなかったという消極的なものでした。
一部上場企業ということで期待を持って入社したものの、キャリアパスが明確でない不安と、労働条件の不満に直面しました。
その後デジタルマーケティングに興味を持ち、新卒入社した会社を辞めてベンチャー企業へとアルバイト入社。
スキルが身についたところで転職活動を始めました。
最初はなかなかうまくいきませんでしたが、結果的にマザーズ上場のIT企業に内定をもらいました。
早くに新卒入社した会社を辞めたことで転職活動は大変でしたが、結果的に自分が目指すべきキャリアが明確になりました。
新卒の転職体験談:23歳で転職して大変だったこと
(23歳 男性)
実家暮らしだったこともあり、転職先はすぐに決まるだろうと前職を辞めてから転職活動を始めました。
しかし実際に転職先が決まるまでは半年以上かかり、前職を辞めた後の空白期間を面接でどう説明するか苦労しました。
保険などの手続きも面倒であり、転職もとりあえず受かりそうな企業に応募することが目的となってしまい、結果的に失敗でした。
よくある質問
- 新卒で転職したいけど、タイミングがわかりません
- 新卒1年目でも転職は可能ですが、適切なタイミングは2〜3年目です。
なぜなら企業が第二新卒採用のメリットの1つ「教育コストの低さ」は、新卒1年目の場合あまり期待できないからです。
加えて「すぐに辞めてしまうかも」とネガティブな印象がある中で企業が得られるメリットを大きくするには、ある程度の社会人経験やスキル、ビジネスマナーが定着している新卒2〜3年目が転職に最適なタイミングといえます。 - 転職前提での新卒入社は良くないですか?
- 転職前提での新卒入社は「アリ」です。
前述したように大卒者の3年以内の離職率は高く、その中には転職を前提に新卒入社していた人も存在します。
現在新卒入社した会社に定年まで身を置くという考え方も変わってきており、キャリア形成の上で転職が当たり前の選択肢となりつつあります。
そのため転職を前提に新卒入社することで、明確な目的を持って働けるようになるでしょう。
転職に必要なスキルを身につけるにはどう仕事に取り組めば良いかなど、主体的にキャリアや働き方が選べるようになります。
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新卒で転職する際の転職先の選び方
転職先を選ぶ際は現状の不満を解消することを軸にするのではなく、5年後・10年後を見据えて転職先を選ぶことがポイントです。
そのためどんな仕事をして、どんなビジネスマンになりたいか、何年後にどんな役職に就いていたいかなどを考え、その目標が達成できる会社を選んでみてください。
その際は企業1つ選ぶにも、志望する職種を選ぶにも、なぜその企業が良いのか、なぜその職種が良いのかを深く追求することが重要です。
単に「残業が少ない会社」「給料の良い会社」など条件面だけで転職先を選んでしまうと、転職先でも少しの不満で転職したいと思ってしまうかもしれません。
不満を解消しつつ、将来に希望や期待が持てる環境に身を置くことが新卒の転職先選びの重要なポイントといえます。 -
新卒での転職を成功させるためのポイント
【将来を具体的にイメージする】
新卒での転職は、またすぐに辞めるのではないかという点で不安視されます。
その不安を払拭するにはその企業で将来を見据えている人材であることをアピールすると同時に、将来のキャリアを築くための意欲や熱意があることを証明することが重要です。
将来を考えず現状の不満を解消するためになんとなく転職していると、志望動機や面接での質問に対しても曖昧な回答しかできません。
採用担当者や面接官はそうした点に鋭いため、明確なビジョンがないまま転職している人のことは見抜くでしょう。
そうならないようにも、自分の将来を具体的にイメージした上で転職に臨んでください。
【志望動機に力を入れる】
熱意・意欲の高さやポテンシャルに期待される第二新卒は、志望動機が特に注目されます。
新卒入社から年月が浅いほど、スキルや経験が不足しているのは事実です。
その点は企業も承知の上であるため、それ以外で採用したいと思ってもらうには志望度と意欲の高さが求められます。
志望動機では、その企業を志望した理由と熱意の高さがアピールできます。
数ある企業の中でなぜその企業を志望するのか、そこで自分はどうしていきたいのかを具体的にアピールすることが重要です。
【転職先に貢献できることを考える】
企業が第二新卒を採用するメリットの1つにポテンシャルの高さへの期待がありますが、ポテンシャルが高いと評価してもらうには自分を採用するメリットを伝えなければなりません。
そのため、自分が転職先に何をどう貢献できるかを明確に伝えることが重要です。
経験やスキルが不足しているのは仕方ないことですがそこに甘えず、現実的かつ具体的に採用してもらうメリットを考えましょう。
そのためにもまずは自分の強みや長所、身につけたスキルなどを棚卸ししてみてください。 -
新卒での転職で勘違いしがちなこと
【職務経歴書に書ける内容がないと思っている】
転職では、業務経験やスキルなど自分のこれまでの仕事をプレゼンテーションする職務経歴書の提出が求められます。
業務経験の浅い新卒での転職では職務経歴書に書けることが少ないからと、雑に書いてしまう方も少なくありません。
しかし業務経験の浅い新卒だからこそ、職務経歴書に力を入れる必要があります。
職務経歴書は実績やスキルだけでなく、仕事にどう取り組んできたか、どう工夫してきたかなどもアピールできる書類です。
業務経験が浅いことは承知の上であるため、採用担当者は仕事への取り組み方などをチェックしています。
どんな小さなことでも漏れなく記載し、自分の仕事への姿勢ややる気、転職先に貢献できることをアピールしましょう。
【自社のルールが世間の常識だと思っている】
新卒入社した会社で、会社やその職種がどういうものであるかを初めて知ることとなるため、それが自分の中の基準となるでしょう。
しかし、その会社のルールが世間の常識と思ってはいけません。
たとえば営業職と言っても、その会社のルールやスタイルが全ての会社と共通しているとは限りません。
同じ業界・業種であってもルールや仕事の進め方は会社によって異なるため、新卒入社した会社が嫌だったからと転職先の選択肢を自ら狭めないようにしましょう。
【退社から転職先への入社までの流れがわかっていない】
転職活動のスケジュールは、新卒の就職活動とは大きく異なります。
一般的に転職は内定が出てから1〜3ヶ月後に入社するスケジュールであるため、その間に今の会社への退職交渉や引き継ぎなどを行わなければなりません。
初めての転職だから知らなかったでは済まされないのが社会人であるため、応募から内定、退職から転職先への入社までのスケジュールはあらかじめ把握してしっかりと管理しましょう。
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