転職の退職手続きに役立つノウハウ
転職の退職手続き前に|転職先に内定をもらったらまずやること
キャリアアップなどで転職をする際、現職を退職するための「退職手続き」は切っても切り離せません。
現職で頑張る同じ会社の人には聞きづらいですし、退職を経験した人が周りに少ないと、分からないことだらけなのではないでしょうか。
転職先から内定をもらったら、まずやることは円満に退職するための段取りです。上司へ提出する退職届などの意思表示の準備をはじめ、退職にあたり自分の業務を引き継ぐための準備、お世話になった現職の同僚や上司・取引先への挨拶など、やらなければならないことがたくさんあります。
状況によっては自分でやらなければならない手続きなどもあるので、「知らなかった」とならないように備えておきましょう。
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退職手続きから転職までの流れ
退職は事務手続きが多く、現職の業務引継ぎなども時間を要するだけでなく、欠員補充や担当者変更の挨拶など周りにも大きく関わることです。
会社のルールに従った退職手続きを行わないことにより、残された人たちにあなたの印象が悪く見えてしまいかねません。
新しい職場に勤務した際に、現職の人たちと取引先や顧客として交流する可能性もあるため、気持ちよく退職手続きをしたいものです。
多くの場合、円満に退職して新しい職場へ勤務するまでは、以下の流れを取るのが一般的です。
1. 転職先から内定をもらい、入社までの猶予をもらう
2. 1~.2か月前……退職の意思表示や退職願など届出を上司に提出する
3. 退職1か月前から……退職日の相談や引継ぎ準備
4. 退職2週間前……取引先関係者に報告・引継ぎ
5. 退職日……社内への挨拶や貸与品の返却・退職書類の引き取り
6. 退職後……郵送で離職票などが到着。制服がある場合はクリーニング後に郵送
会社では一般的に退職に関する決まりが社則として展開されており、希望日の2~1カ月前に退職の報告をするようになります。
また、最近では退職希望者に退職を考え直させるよう「引きとめ」も多く見られるようです。
「引き止め」行為があることを考慮するのはもちろん、退職日までの間、現職の人たちと円満に過ごしたいのであれば、遅くとも1カ月前に退職の旨を伝えるのが理想だと言えます。
また、どんなに上司などからお願いされたとしても、新しい転職先は明かしてはいけません。
転職の退職手続きで会社から受け取る書類
【離職証明書】
離職証明書(離職票)は、退職日以降10日以内に自宅に郵送される書類です。
・退職後しばらく転職活動をしない場合
・退職してから転職活動をする場合
上記に当てはまる場合は、離職証明書(離職票)は失業保険を受給するために必要な書類のため、必ず人事部の担当者に以下の項目を確認しましょう。
転職先が決まったうえで退職手続きをする際は基本的に必要ありませんが、万が一に備えてもらえる日を確認し、自宅で大切に保管しておきましょう。
※雇用保険(失業保険)について詳しく調べる
雇用保険とは?失業保険とは?違いや給付条件、手続き方法を徹底解説!
【年金手帳】
会社によっては年金手帳のコピーだけを会社が所持し、原本は自分で所持している場合と原本ごと会社が預かっている場合があります。
2006年以降は法改正に伴い、年金手帳原本を会社で預かる必要がなくなったものの、会社によっては原本を預けている場合もあるかもしれません。
退職手続きがスタートしたら、最終日までに必ず返してもらいましょう。新しい転職先に提出するために必要です。
・転職がまだ決まっていない場合
・退職後はしばらく休みたい
などの場合は、自分で国民年金に切り替えなければなりません。年金手帳を受け取ったら最寄りの地方自治体に出向き、手続きを済ませましょう。
もし、自宅保管で年金手帳が見つからないという場合は、最寄りの社会保険事務所に連絡し、所定の手続きを経て再発行できるため、お問い合わせしてみてください。
【雇用保険被保険証】
雇用保険被保険証は、正社員や契約社員の人が雇用保険に加入しているかを確認する証明書の役割を果たしています。転職活動を経験したことがない人にとっては見る機会もないでしょう。
アルバイトや派遣社員の場合は、仕事先の就業期間によって発行される場合がありますので、担当者に確認してみてください。
会社で原本を預かっている場合は退職日までに返却してもらい、新しい職場に提出します。新しい職場に転職をしない場合や転職先が未定の場合は、失業保険給付時に必要ですので忘れずに受け取りましょう。
一般的に、雇用保険被保険者証は細長い紙に印刷された様式であるため、「無くしてしまった」ということもあり得るかもしれません。
無くした場合は、所轄地域のハローワークで再発行できますが、被保険者番号が必要であるため会社に確認が必要です。
退職手続きで会社へ提出するもの
退職手続きでは、提出物も多くあります。会社によって必要な提出物は異なるため、事前に確認しましょう。
一般的に、以下の返却物を退職手続き期間中に提出することになるでしょう。
社員証や制服など会社からの貸与品/自分や顧客などの名刺/健康保険証(後日送付の場合もある)/備品/定期券
会社によっては、退職届を指定フォームに記述する場合もあるため、自分で書いた退職届の他に用意しなければならないこともあります。
また、退職を届け出た時点で年休が余っている場合は、使える日数など上司や所属チームと相談の上、所定の休暇届などを提出することになるでしょう。
【退職届・退職願のテンプレートをダウンロードする】(wordファイル)
退職届のテンプレート
退職願のテンプレート
転職前に確認!退職後にやること
退職後は、転職先に提出する書類などを不備なく揃えたうえで入社日を迎えなければなりません。
会社によって持参すべきものも異なりますが、年金手帳や前職の雇用保険被保険者証は必ず必要になるため、忘れずに用意しましょう。
特に忘れがちなのが、退職してから1か月後に送付される前職での「源泉徴収票」です。年度末調整時に必要になるため、前職の源泉徴収票を入手したら、新しい職場へ提出できるように準備します。
もし転職まで先がある場合は市町村役場に出向き、失業保険の申請手続きや国民年金保険や健康保険の申請手続きを自分で行わなければなりません。
年金手帳や前職の雇用保険被保険者証のほか、離職証明書(離職票)を手元に用意し、近くの申請窓口で手続きを済ませましょう。
また、退職した年に新しい勤務先へ就職しない場合は、自分で確定申告をしなければなりませんので、会計ソフトやアプリなどを用いて準備することも忘れてはなりません。
転職はせず、退職だけをする場合はこれまで会社が代わりに行ってくれた手続きを自分で行う分、大変かもしれませんが、漏れなく手続きを済ませましょう。
退職手続きの仕事体験談
退職手続きをした人の転職体験談①
(30代 男性)
退職の意向を表明してから、面談が何回かあり、結構大変でした。直属の上司以外にも課長や部長とも面談することになってしまって、かなり気疲れしたのを覚えています。
ただこれは今になって思うと、曖昧な態度を示していた自分が悪かったですね。退職を一度切り出したら、「もう考え直す気はない」と明確に示すことが大切だと思います。
退職手続きをした人の転職体験談②
(20代 男性)
色々と準備することも多いのと、有給が予想以上に残っていたので結果的にかなり忙しくなってしまいました。
特に引継ぎ資料の作成がすごく手間取りました。通常の業務をこなしているうちに時間が無くなってしまって、有給消化中にも引継ぎに時間を割いていました。
円満に退職するためにも、引継ぎ資料の作成は日ごろから意識しておいてもいいかもしれません。
退職手続きをした人の転職体験談③
(30代 女性)
退職日を決定するのに苦労しました。本当は一ヶ月も待たずに辞めようとしていたのですが、人手不足もあり、手続きを済ませ退社するまでに結局6ヶ月ほどかかりました。
人手が少なくて、上司にもっといて欲しいと頼まれると断りづらいものですが、どこかできっぱりとお願いを断ってみるのもおすすめです。
よくある質問
- 転職が決まっているのに会社が退職手続きを進めてくれません。どうしたらよいでしょうか?
- 会社に提出したものが「退職願」なのか「退職届」なのかで状況が変わる可能性があります。
「退職願」を提出した場合、上司はあなたに退職の意思表示があるとしか捉えていないかもしれません。
正式に退職するためには、「退職届」を提出するのがマナーです。会社の退職に関する規定をもう一度チェックし、退職届を提出することで手続きが進むでしょう。
もし、「退職願」を出しているにもかかわらず退職を認めてくれないという場合、まずは上司ではなく会社の人事部へも相談してみましょう。
もしかすると、部署の繁忙期や人事異動後などといったように、退職届を提出するタイミングが悪く、なかなか手続きが進まないということも考えられるためです。
人事部に依頼しても退職手続きが進まないという場合は、労働基準監督署や労働相談センターに相談し、対応してもらうと良いでしょう。
(最近では、退職代行サービスと呼ばれる、退職を代わりに進めてくれる会社も増えてきました) - 退職手続き中に転職先での仕事が始まっても大丈夫でしょうか?
- 年休消化などの関係で、入社日にも関わらず前職の退職手続き中という事態もあるかもしれませんよね。
前職と入社予定の会社双方の合意があれば、退職手続き中に仕事をしても差し支えありません。
しかし、一般的に多くの企業が社会保険の手続き等の関係から二重労働を禁止しているため、退職手続きが終わっていない状態での転職先への入社は難しいのが現実でしょう。
法的に退職手続き中に転職先での仕事をしてはいけないという規制はありませんが、現職や転職先の会社が定める社則により「二重労働禁止」の会社が多いためです。
片方の会社はOKしているが、もう一方の会社がNGという場合や、双方の会社が二重労働を禁止している場合が多くあります。
二重労働の規制があることを隠して転職先で仕事が始まってしまった場合、有給消化を断られたり懲戒解雇になったりすることもあるようです。
転職前に社則を確認してから転職先を見つけるのがベストですが、内定が決まった時点で年休などをしっかり確認し、退職日と入社日の調整をしたうえで気持ちよく退職手続きをしましょう。
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退職する会社での引継ぎとあいさつ
退職日が決定した後、業務や担当者の引継ぎは、一般的に1カ月前以降に始まるケースが多くあります。
あなたの業務の後任者がすぐ決まるとは限りません。誰でもあなたの業務を進められるように、分かりやすいマニュアルや顧客リストなどを作成し、所属チームに迷惑をかけないように備えましょう。
マニュアルや顧客管理はデータにまとめても差し支えありませんが、プリントアウトして書面にアドバイスや進捗をしっかり記録してもよいでしょう。残されたメンバーへの誠意も伝わりやすくなります。
既に後任が決定している場合は、マニュアルを使い、OJTなどで教えながら丁寧に進められるといいですね。 -
転職と退職手続きにベストな時期
一般的に、転職先が決まった後に退職の意向を上司に伝え、退職手続きをスタートさせるのがベストです。
転職求人が増える傾向にある時期は、2月~3月と8月~9月だといわれており、転職先を探すのにはおすすめです。
また、退職を申し出るタイミングは、賞与後の7月~8月や12月~1月に多いとされています。これは会社によっては退職が決定した社員に対して賞与を払わないこともあるためです。
また会社によってタイミングが異なりますが、人事異動時期や繁忙期は転職も退職手続きのベストな時期とは言えません。
人手不足を理由に引き止めに合う可能性も高まるだけでなく、周囲から「忙しいのに」と反感を買われ、退職日まで心が落ち着かなくなるでしょう。
転職活動で内定をもらってから退職するまで、おおよそ1~2カ月必要だと考えると、円満退職するためには転職活動開始時期から遡ったプランを作るのが大切だと言えます。
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