運送業の求人状況や職種・仕事内容とは?年収やきついと言われる理由など
運送業の求人状況や職種・仕事内容とは?年収やきついと言われる理由など
運送業は、もの・人を目的地まで運ぶ仕事です。
慢性的な人手不足であること、そしてEC市場の拡大なども関係し需要が伸びている業界です。
社会や生活に欠かせない仕事であり、将来性も高いとされている運送業ですが、実際の雇用・求人状況はどうでしょうか。
またひとくちに運送業といっても、その職種や仕事内容はさまざまです。
そこで今回は、運送業の求人状況や職種、仕事内容をはじめ、年収や運送業がきついと言われる理由などをご紹介します。
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運送業の雇用・求人状況
少子高齢化の進む日本では、運送業をはじめ多くの業界業種で人手不足が課題となっています。
その中でも、運送業は深刻な人手不足に悩まされている業界の1つ。
なぜなら人手不足の状況とは裏腹に、運送業の需要は年々上昇傾向にあるからです。
運送業は人々の生活に密着する仕事であり、さらに近年はEC市場も拡大している状況にある点で雇用・求人に対しても前向きな動きが見られます。
増減はあるものの、令和に入ってからの有効求人倍率は平均して3〜4倍を推移。
つまり、1人あたり3〜4件の求人があるということです。
また運送業のメインを担うドライバーは単に人手が不足しているだけでなく、ドライバーの高齢化も進みつつあります。
安全運転が求められるドライバーは、健康な体と体力が必須。
いくら運転技術があろうと、健康な体と体力がなければ仕事を続けるのは難しいものです。
国土交通省資料によると、運送業で働く人のうち約45.2%は40〜54歳と示されています。
旅客ドライバーにいたってはさらに平均年齢が高く、バス運転手で49.9歳、タクシードライバーで58.7歳です。
全職業の平均年齢と比較して約3〜17歳高い運送業は、引退する高齢層も見越した上で、特に若者の雇用促進が課題とされています。
この点からも運送業の雇用・求人状況は良好であり、比較的転職しやすい業種といえるでしょう。
運送業の主な職種と仕事内容
ここでは、運送業の主な職種と仕事内容をご紹介します。
【ドライバー(貨物輸送)】
運送業の中でも市場規模の大部分を占めるのが貨物輸送です。
貨物輸送ドライバーは、以下のようにさまざまな職種に分類されます。
・大型トラックドライバー
・中型トラックドライバー
・セールスドライバー(宅配員)
・トレーラードライバー など
一般的なドライバーは、個人宅や会社に荷物を届けるセールスドライバーや長距離輸送に対応する大型トラックドライバーです。
貨物輸送ドライバーは荷物を指定の場所まで届ける点で共通しますが、その距離や貨物種類が異なります。
【ドライバー(旅客輸送)】
旅客輸送ドライバーはバスやタクシー、電車や船舶など人を運ぶ仕事です。
人相手の仕事になるため接客業に近い仕事であり、人の命を預かる責任の大きい仕事です。
タクシーは一般車両に近いため比較的なりやすい旅客ドライバーですが、大型車両であるバスや船舶、電車は専門的な運転スキルが求められます。
【管理】
運送業に必要なのはドライバーだけではありません。
物流や配送、在庫管理を担う管理業も重要な役割です。
管理によって顧客の荷物が正しく保管され、時には配送スケジュールや人員配置の決定にも携わります。
【法人営業】
運送業には、物流ソリューションの提案を行う法人営業もあります。
新規顧客の開拓や既存顧客の要望・問題点をサポートし、物流の土台をつくり上げていきます。
運送業の要!ドライバーの種類と仕事内容
運送業にはさまざまな職種が存在しますが、やはり要となるのはドライバーです。
ここでは、ドライバーの種類と各仕事内容を詳しくご紹介します。
【トラックドライバー】
トラックドライバーは「大型トラック」「中型トラック」「小型トラック」の主に3種類に分けられます。
大型トラックドライバーは県内などの中短距離を走る「地場ドライバー」と全国各地を回る「長距離ドライバー」があります。
特に長距離ドライバーになると数日かけて荷物を輸送することもあり、車中泊することもある点が特徴です。
また中型トラックドライバーは、主要都市の集配所や各地の配送先へ荷物を運びます。
輸送する荷物に応じて、配送エリア・距離もさまざま。
そして、最も主流なのが小型トラックドライバーです。
運送会社によってルート配送や宅配と仕事内容は幅広く、未経験から運送業に入るとまずは小型トラックから運転することが多いでしょう。
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【配送・配達ドライバー】
大手運送会社も参入しているのが、配送・配達ドライバーです。
基本的には決められたエリア内で、個人宅や会社へ荷物を運びます。
そのほか、集荷や荷積・荷卸し、伝票作成なども主な仕事内容です。
お客さまへ荷物を運ぶ仕事であることから接客業に近く、身近にやりがいを感じやすい点が魅力です。
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【ドライバー助手】
ドライバー助手は、ペアの運転手の補助をする仕事です。
運転時は助手席に乗り、荷物の運搬や集荷などをサポートします。
運転をしないため未経験でも始めやすく、ドライバーの補助をしながら経験とスキルを積むことができます。
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【タクシードライバー】
代表的な旅客ドライバーであるタクシードライバーは、お客様を目的地まで運ぶ仕事です。
タクシードライバーは歩合制が多いため、仕事した分が給料に反映する点はやりがいにもつながります。
タクシー会社に所属するだけでなく、独立開業すれば個人タクシーとして働くこともできます。
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【バス運転手】
バス運転手には主に2つ「路線バス運転手」と「高速バス運転手」があります。
路線バス運転手は決められたルートを時間通りに運行する一方、高速バス運転手は目的地まで乗客を運びます。
路線バスは決められた時間内での運行となりますが、高速バスは目的地までの中長距離を交代しながら運転します。
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【送迎ドライバー】
スクールバスやショッピングモール・ホテルへの循環バスなどは送迎ドライバーに分類されます。
送迎ドライバーの主な仕事内容も、目的地まで乗客を運ぶことです。
送迎ドライバーは路線バスと同等の大型バスを運転することもあれば、バンのような比較的小型の車両を運転することもあります。
一般的な送迎バスであれば普通自動車免許での運転が可能です。
運送業求人の仕事体験談
運送業で働く人の体験談|働いて良かったこと
[30代 男性]
20歳すぎに運転免許を取り、運転する行為自体が楽しく感じられるようになり、ドライバーになりました。
配送量が多い時は大変ですが、時間内にきちんと荷物を届けられた時の達成感は別格です。
また、お客さんから「お疲れ様」と差し入れをいただいたりすることもあり嬉しく感じます。
運送業で働く人の体験談|働いて良かったこと
[40代 男性]
商品を検品し、納品先へと運んでいます。
お客さんや取引先から「在庫管理がばっちりだね」「あなたが1番いいね」と褒められた時は、とても嬉しかったです。
お客さんとの距離が近く、反応をダイレクトに感じられる点はモチベーションにつながります。
運送業で働く人の体験談|働いて大変だったこと
[50代 男性]
長距離トラックドライバーをしていますが、最初は家に帰れず大変と感じたこともあります。
しかし働いてくうちに見方が変わり、人間関係や時間に縛られずに自分の裁量で自由に仕事ができるのが長距離ドライバーの魅力だと気づきました。
今では、ストレスなく自由に仕事ができています。
よくある質問
- 40代でも運送業に転職できますか?
- 40代でも運送業への転職は十分に可能です。
40代は運送業のメイン世代でもあり、かつ人手不足の状況からも転職に年齢制限が設けられていません。
運転免許があれば未経験でも採用されやすいため、異業種からの転職や給料アップ、キャリアアップを見据えた転職に向いています。 - 運送業の2024年問題とはなんですか?
- 運送業の2024年問題とは、働き方改革関連法によるドライバーの時間外労働時間制限に関する内容です。
2019年4月には大企業で、2020年4月には中小企業で時間外労働時間が月上限45時間、年360時間に制限されました。
一方で、運送業を含むいくつかの業種では時間外労働時間の規制が5年間猶予され、2024年4月からの適用とされています。
ドライバーに時間外労働に上限が設定されることで、売上・利益の減少、ドライバーの収入減に伴う離職などが生じる恐れがあることから2024年問題と呼ばれています。
運送業は実情からもほか業種よりも上限規制は緩く設定されているものの、施行後に影響が出ることは現状を踏まえると明白です。
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運送業の年収
運送業全体の年収は、平均300〜450万円ほどが相場です。
下記は令和3年賃金構造基本統計調査によると、宅配配達員・ルート配送ドライバーで380.1万円、トレーラートラックドライバーで463.2万円が全国の平均年収です。
大型トラックや大型特殊トラックのドライバーですと、年収時水準も高くなる傾向にあります。
また固定月給にプラスして出来高報酬を設けている運送会社もあるため、出来高報酬や時間外手当がプラスされると年収の個人差は大きいといえます。 -
運送業がきついと言われる理由
運送業はきついとの声もよく聞かれる業種ですが、どの点できついと感じることがあるのでしょうか。
ここでは、運送業がきついと言われる理由をみていきます。
【体力仕事】
重い荷物を運ぶ、長距離輸送する、休みが不定期など体力的に大変な労働環境にあります。
また、人手不足であることからも1人あたりの負担が大きく、残業が当たり前となっているのが現状です。
仕事内で体力が必要なだけでなく、不規則な働き方もきついと感じられる部分です。
【拘束時間が長い】
顧客の都合に合わせて配送しなければならない、長距離輸送があるなどして拘束時間が長い点も運送業がきついと言われるポイントです。
朝早くに家を出たのに、帰宅は深夜になることも。
求人票に書かれている勤務時間の実態と差があり、いざ仕事を始めてきついと感じる方も多いようです。
【クレームを受けることがある】
特に個人宅への配送ですと、利用者から理不尽なクレームを受けることもあります。
梱包や包装の不備など、運送業者が関係ない点でクレームを入れられることも。
仲介者となって荷物を運ぶ立場であるため、クレームを受けなければならない点は考慮しなければなりません。
【危険と隣り合わせ】
車の運転は、常に事故の危険と隣り合わせです。
実際に令和2年の労働災害における死傷年千人率は陸上貨物運送事業で8.9%と、全業種の中で4番目に高い数値となります。
全業種の死傷年千人率は2.3%であることからも、運送業におけるリスクへの理解が必要です。 -
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