エアコン設置工事とは？転職・求人応募に役立つエアコン取り付け工事の仕事内容や資格を解説！

エアコン取り付け工事には標準工事と呼ばれる業務があります。
エアコン取り付け工事の、ほとんどの業務内容は標準工事です。
そのため、2つの言葉を合体させてエアコン標準取り付け工事と呼ぶ場合もあります。
業務内容をみてみましょう。

【室内機を設置する】
エアコンは、建物のなか(室内)に設置して暖気または冷気を送る室内機と、その働きをコントロールする室外機の2つで1セットになっています。
そこで、まずは室内機を所定の場所に設置します。
室内機は、部屋の壁の上部に設置することで部屋全体に暖気または冷気を行き渡らせます。
室内機の上部と天井の間と、室内機の左右はそれぞれ5センチ以上空けます。

【室外機を設置する】
室外機は、冷房時は室内の熱を外に排出し、暖房時は熱をつくって室内機に送ります。
室外機は建物の外に置き、置き方には平地置き、ベランダ置き、既設平地架台設置があります。
平地置きは地面に直(じか)に室外機を置く方法ですが、それでも簡易的な台を地面と室外機に挿入するのが一般的です。
ベランダ置きはその名のとおりベランダに室外機を置く方法です。
マンションの2階以上はベランダ置きになります。
もちろん一戸建ても2階以上はベランダに置きます。
既設平地架台設置とは、より頑丈な台(既設平地架台)に室外機を載せる方法です。
室外機を2基以上設置する場合は、既設平地架台を2段にして上下に室外機を置きます。
いずれの場合も室外機と建物の外壁の間は5センチ以上空けます。

【配管穴開け工事、スリーブ処理】
室内機と室外機は管でつながっているので配管工事が必要です。
しかもその管は建物の内と外をつなぐものなので、建物の壁に管用の穴を開ける必要があり、それが配管穴開け工事になります。
スリーブは筒状の部品で、管用につくった壁の穴の内側に設置します。
これにより壁が保護されます。
配管穴開けはある意味で建物の壁を壊していることになるので、スリーブで補修する必要があるわけです。
スリーブを入れないと虫が侵入したり、風や雨水が建物内に入ってきたりします。

【配管工事】
管用の穴ができたら、室内機と室外機をつなぐ配管工事を行います。
エアコンの管は2種類あります。
冷媒管は断熱材で覆った銅製パイプで冷媒ガスを移動させます。
冷媒ガスで室内の空気を暖めたり冷ましたりするので、これが漏れることがあってはならず確実に設置することが求められます。
ドレン管は室内機に溜まった水を室外に排出させるための管です。
室内機は結露によって意外に多くの水を生んでしまいます。

【真空引き】
配管が終わったら真空引きを行います。
冷媒管のなかに余分な空気があると暖房・冷房効率が悪化するので空気を取り除きます。
空気を引っ張って真空状態にするので真空引きといいます。

【エアコン専用回路への接続、または増設】
エアコンの電源は通常、エアコン専用回路から取ります。
専用回路とはブレーカーから直接引いてくるコンセントのことで、このコンセントにはほかの電気機器はつなぎません。
エアコンはそのほかの電気機器より電力使用量が多いので、そのほかの電気機器とコンセントを共有してしまうと電力が足りなくなってブレーカーが落ちてしまう恐れがあります。
まれにエアコン専用回路がない建物があり、その場合は新たにエアコン専用回路を増設します。

【アース端子への接続】
エアコンは大量の電気を使うのでアース端子に接続する必要があります。
エアコンの機器の電流が漏れてしまったときに、アース端子を経由して地面にその電流を流して事故を防ぎます。

エアコン取り付け業者への転職を目指している人は、エアコン取り付け工事の費用の目安を覚えておいたほうがよいでしょう。
エアコン取り付け業者の採用担当者は、コスト意識が高い人を採用したいと思っています。

エアコン取り付け工事の費用の目安
・6〜14畳(冷房能力2.2〜4.0kW)1.5万～2万円
・16畳以上(冷房能力5.0kW〜) 2万～2.5万円

部屋の広さや冷房能力によって工事費用が異なりますが、その差はあまり大きくないです。
部屋が広くなったりしても基本的な作業の量があまり変わらないからです。
ただ、上記の金額はあくまで目安であり、業者によっては高い場合も安い場合もあります。
例えば、配線や配管に化粧カバーを取り付けると見栄えがよくなりますが、ひと手間かかるので工事費が高くなります。

エアコン取り付け工事は高所で行う場合もあります。
2022年に労働安全衛生法施行令が改正され、高さ5メートル以上の高所で作業をする場合、作業者はフルハーネス型墜落制止用器具を着用しなければならなくなりました。
従来の胴ベルト型の安全帯の使用は違法です。
エアコン取り付け工事業界に関心がある求職者は、安全対策の知識も持っておいたほうがよいでしょう。