ダブルワークとは|メリット・デメリット、確定申告や社会保険など
ダブルワークとは|メリット・デメリット、確定申告や社会保険など
収入を増やしたい、スキル・経験を身につけて転職に活かしたいなど、さまざまな目的でダブルワークを検討している方も多いでしょう。
ダブルワークはメリットもある一方、スケジュール管理が大変、体力的負担が多いなどデメリットもあります。
またダブルワークを始めるにあたり税金や確定申告、社会保険についても知っておくべきことがあることはご存知でしょうか。
今回はダブルワークとは何かを踏まえて、ダブルワークのメリット・デメリット、確定申告や社会保険などについて詳しく解説します。
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ダブルワークとは
ダブルワークは「Wワーク」とも表記され、その名の通り仕事を2つ掛け持ちする働き方のことです。
メインとする仕事がある一方、収入を補填するためにサブの仕事もしている状態をダブルワークといいます。
【ダブルワークと副業の違い】
似た言葉に「副業」がありますが、副業とダブルワークでは意味合いが少し異なります。
ダブルワークは本職が正社員とは限らず、一般的にアルバイトやパートを掛け持ちしている状態をダブルワークと指すことが多いです。
一方、副業は本職が正社員であり、副次的に収入を得ている状態を指します。
つまり月水金はコンビニ、火木土は配達員として働いている場合にはダブルワーク、平日は正社員として会社に勤め、土日に業務委託の仕事を受けている場合は副業といえます。
とはいえ名称に明確な基準があるわけではないため、仕事を複数している状態のことをダブルワークということもあります。
【正社員でもダブルワークは可能?】
結論、正社員でも就業規則で認められている場合に限りダブルワークが可能です。
近年働き方の多様化も進んでおり、平成30年1月には厚生労働省が改定したモデル就業規則においても、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
」とされています。
業務支障や秘密漏洩、自社の利益が害されるなどしない限り、基本的に労働時間以外の時間をどのように利用するかは労働者の自由であると明記されています。
人生100年時代を迎え、若いうちから希望する働き方を選べる環境を作ることが必要であると国も副業・兼業を推進していることから、正社員でもダブルワークできる環境が整いつつあります。
ただし、それでも依然としてダブルワークを認めていない企業も存在するため、その場合は隠れてダブルワークするのは避けましょう。
ダブルワークのメリット・デメリット
【ダブルワークのメリット】
・収入が増える
・経験、スキルが増える
・キャリアアップにつながる
・ストレス解消になる
メイン以外にも収入の柱があるため、収入アップにつながる点はダブルワークの大きなメリットです。
サブの収入は貯金に回す、趣味に使えるお金が増えるなど、生活の安定と豊かさにつながります。
そして違う職場で働けることで、経験・スキルも2倍で身につきます。
その結果、次の転職でキャリアアップにつながる可能性にも期待できます。
そして意外なメリットが、ストレス解消です。
1つの職場だけですと、仕事内容に飽きてしまったり、嫌なことがあってもその仕事に集中しなければなりません。
しかしサブの職場があることでガラリと違った環境に身を置くことができ、自然とストレス解消につながります。
【ダブルワークのデメリット】
・スケジュール管理が大変
・自分の時間が減ってしまう
・心身の負担が大きい
複数の仕事をこなすとスケジュール管理が複雑になり、シフト制の仕事の場合はシフト調整も大変です。
仕事のスケジュールにばかり集中してしまい、気づいたら休日や自分の時間が確保できないことも。
それゆえに心身の負担が大きくなってしまい、仕事するのが難しい状態になるリスクもあります。
得られるものが大きいダブルワークですが、無理して心身を壊してしまうと失うものも大きい点は要注意です。
ダブルワークをする上で知っておくべきこと
【税金と確定申告について】
税金面で関係があるのは、所得税と住民税です。
これらは働いた収入の合計額に対してかかるため、働いた分だけ税金も上がります。
雇用されている場合は雇用先から年末調整を依頼されるため、そこで税金の精算ができます。
しかしこの年末調整は1箇所の職場でしかできないため、ダブルワークしている場合は収入が多い方の職場で年末調整を行います。
その場合、サブの職場の所得が年間20万円以下の場合は確定申告する必要がありません。
反対に、サブの職場で年間所得20万円以上となる場合は確定申告が必要です。
20万円以上の収入があるにもかかわらず確定申告を怠ると、無申告として「脱税」にあたります。
延滞税などで余計に税金を支払うことになるため要注意です。
【社会保険について】
社会保険とは、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険・介護保険の総称です。
ダブルワークでは、下記条件を満たしている場合に社会保険の加入が必要です。
・1年以上の雇用契約期間の見込みがある
・週の所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上の者
・週の所定労働時間が20時間以上、月賃金8.8万円以上を満たす者
・学生ではない
本業で正社員として働いている場合には、社会保険の加入が必須です。
一方、アルバイトやパートであっても上記条件を満たせば社会保険の加入が必要となり、両職場で条件を満たす場合はどちらの職場でも社会保険に加入することとなります。
両方の職場で社会保険に加入する場合、保険料の按分をしてもらうためにいずれかの職場に届出をしましょう。
よくある質問
- ダブルワークは会社にばれるのでしょうか?ばれない方法を教えてください。
- ダブルワークがバレてしまう原因の1つに住民税があります。
住民税はダブルワークも含めた収入の総額で決定するため、本業以外に収入がある場合は職場の人よりも住民税が高くなります。
勤め先は年末調整で従業員の収入を把握しているため、給料に対して住民税の額が多いとダブルワークしていることに気づかれてしまいます。
また、副業の収入が20万円以下で確定申告が必要なくとも、住民税は申告しなくてはなりません。
そのため、ダブルワークしている場合、住民税の増額は不可避です。
そこで住民税が会社にバレないようにするためには、住民税を「普通徴収」で支払う方法があります。
確定申告や住民税の申告では、住民税の徴収方法を「自分で納付」に選択することが可能です。
そうすることで、会社に通知される住民税決定通知書にはダブルワーク分の収入が住民税額に加算されないため、会社にダブルワークを勘付かれることはありません。
しかし、それ以外にもダブルワーク先で職場の人にばったり会ってしまう、ダブルワークしていることを周囲に話して広まってしまうなど、バレるケースは住民税以外にも多々あります。
基本的に本業でダブルワークが禁止されている場合は隠れてダブルワークするのは控え、ダブルワークが可能な職場に転職することも検討しましょう。 - パートでダブルワークしていますが、年末調整はどうなりますか?
- ダブルワークをしている場合、年末調整は1箇所でしかできません。
そのため、ダブルワークのうち収入の多い職場でのみ年末調整をしてください。
-
ダブルワークにおすすめの仕事
以下のような仕事は、ダブルワークにおすすめです。
・単発、短期でシフトに入れる仕事
・新聞配達など、短時間で終わる仕事
・オフィスワーク
・在宅系
・塾講師、家庭教師
オフィスワークや塾講師、在宅系の体力的負担の少ない仕事や、シフトの自由度が高く好きな時に働ける単発・短期の仕事はダブルワークに向いています。
また新聞配達のように、短時間で業務が終了する仕事も無理なく続けることが可能です。
自分の体力やスケジュールをしっかりと確認し、時間の融通が利きやすい仕事を選んでみてください。 -
無理なくダブルワークするためのポイント
無理なくダブルワークするためには、ダブルワークに合った仕事選びと合わせて、以下3つのポイントを意識することが重要です。
【本業に支障が出ないよう管理する】
ダブルワークが認められている場合でも、本業に支障が出ないことを前提にダブルワークが認められています。
そのためダブルワークを始めたことで疲れて業務が疎かになってしまう、シフトに入れないなどしないよう、体調やスケジュール管理をしっかりとすることが重要です。
本業に支障が出ないように働ける仕事を見つけ、どの程度であれば体力的に働けるかを常に考えてダブルワークに取り組みましょう。
【続けられる仕事を選ぶ】
ダブルワークは収入アップやスキル・経験が身に付くなどメリットも多いですが、その分負担も多い点はデメリットです。
無理なくダブルワークをするためには、続けられる仕事を選ぶことがポイントです。
たとえば本業が肉体労働であればダブルワークでは体力的負担の少ないオフィスワークを選ぶ、興味がある・将来的にやりたいことにつながる仕事を選ぶなどして続けられる仕事を選びましょう。
【目標を立てる】
ダブルワークは本来しなくても良いものであるため、目標がないとなかなか続けるモチベーションが保てません。
そのためなぜダブルワークをしようと思ったのかを踏まえ、明確な目標を立てることがポイントです。
留学費用の50万円を貯める、Webマーケティングのスキルをつけるなどといったように、ダブルワークを始めた動機に合わせて目標を立ててみてください。
目標は具体的であるほど良く、最終的なゴールだけでなく、過程の目標であるKPIまで決められると良いでしょう。 -
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