プライマリーバランスとは?基礎的財政収支の意味をわかりやすく解説
目次
プライマリーバランスとは|黒字化の意味をわかりやすく解説! 日本のプライマリーバランス(基礎的財政収支)はどうなっているのか よくある質問:プライマリーバランスとは簡単に言うとどういうことですか?プライマリーバランスとは|黒字化の意味をわかりやすく解説!
最近よく聞くようになった経済用語・カタカナ語の中で、プライマリーバランスという言葉があります。「経済・財政状況等を表す言葉だと何となく理解はしているけど、詳しい意味はわからない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、プライマリーバランスの意味を簡単に・わかりやすく解説していきます。
<日本の財政状況>
日本では赤字(マイナス)の状態が続いていましたが、2018年に「2025年度の黒字化(プラス)」を掲げており、財政再建に取り組んできました。しかし、新型コロナウイルス対策で巨額の財政出動を余儀なくされた影響から、2025年の黒字化は実現困難な状況になっています。
(2020年11月に日本政府から公表された経済財政白書から「2025年度に黒字化を目指す」という記述自体が消えている)
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日本のプライマリーバランス(基礎的財政収支)はどうなっているのか
2021年度予算案の「106.6兆円」は、税収と借金で構成されています。
日本の基礎的財政収支は赤字の状態が続いており、税収等では歳出全体の約2/3しか賄えていません。残りの1/3が国の借金です。
※この借金部分は将来世代へ負担を先送りしている状況で、財政健全化が求められています。
【財務省が発表している2021年度予算案の内訳】
・所得税:17.5%(18.7兆円)
・法人税:8.4%(9.0兆円)
・消費税:19.0%(20.3兆円)
・その他税収:8.9%(9.5兆円)
・その他収入:5.2%(5.6兆円)
・公債金(国債):40.9%(43.6兆円)※国の借金
よくある質問
- プライマリーバランスとは簡単に言うとどういうことですか?
- プライマリーバランスとは、国や地方自治体などの基礎的財政収支のこと。
簡単に言うと「収入と支出のバランス」の話です。社会保障や公共事業に代表されるような行政が行うサービスにかかる経費を、消費税等の税収で賄えているかどうかを示しています。 - プライマリーバランスが黒字化する意味
- プライマリーバランスが黒字化する=プラスになる意味は、その年の税負担(税収入)で、国民生活に必要な支出がまかなえている状態のことです。
現在の日本は赤字(マイナス)の状態ですが、税金などの収入だけでプラスになることが「黒字化」の意味です。
2020年・2021年と新型コロナウイルス感染拡大により、多額の財政出動がありました。その影響で赤字幅が増加してしまい、黒字化に向けた財政再建計画は厳しい状況になっています。 - プライマリーバランスが赤字の場合の意味
- プライマリーバランスが赤字(マイナス)の場合、国債(国庫債券)を発行しないと支出をまかなえない状態です。簡単に言うと「国の借金」です。
- なぜ日本はプライマリーバランスが赤字(マイナス)なのか
- 財務省が発表しているデータを確認すると、1990年度と2021年度で税収は増えているものの、社会保障費が約3倍と大きく伸びてしまい赤字幅が大きくなっていることがわかります。
公共事業や教育などの経費は横ばいのため、社会保障費が財政悪化の原因と考えられます。
社会保障費とは、「年金」「医療」「介護」「子ども・子育て」などの分野に分けられており、歳出の約1/3を占める最大の支出項目です。
※社会保障費の金額が大きい順に並べると、以下のようになります。
(1)年金
老後の生活を安定させるための年金支給。
(2)医療
病気やケガをした時のリスクを、社会全体で支え合う。
(3)介護
介護が必要になった場合のリスクを、社会全体で支え合う。
(4)子ども・子育て
児童手当、保育所の整備など教育に関する分野。
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プライマリーバランスを黒字化するために必要なこと
基本的には「経済状況が良くなっていけば、自然と財政健全化が進む」と考えていいでしょう。
景気が良くなる=企業が儲かっている、ということなので、財務省が公表している税収入バランスのうち「法人税」の部分が増えます。
そこから働く人の収入が増えることで、所得税が増える。所得が増えることで買い物をする額も増えていき、消費税の税収入も増えていきます。
しかし、現在は新型コロナウイルスまん延による経済悪化が進んでおり、臨時の財政出動が増えるなど、景気状況は悪化しています。
今後、東京オリンピックの開催/中止どちらでも影響を受けるでしょうし、ワクチン接種の進み具合でも、経済回復の速度が変わります。
ワクチン接種が若い年代まで進むには、2021年後半以降になると言われています。
社会経済活動が正常化するのは2022年以降と言われているため、まだしばらくの間はプライマリーバランスが黒字化する事は難しいでしょう。
※自民党総裁選の結果次第では凍結も?
2021年9月、自民党総裁選に出馬表明をしている高市早苗前総務大臣が、「物価安定目標であるインフレ率2%を達成するまでは、時限的にプライマリーバランス(PB規律)を凍結する」と政策を掲げたことで、プライマリーバランスの言葉が注目されています。 -
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この記事の監修・著者プロフィール(株式会社クリエイト Webマーケティング担当)
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