円満退社する方法は？退職理由の例文と上手な伝え方、理想の転職を叶えるコツ

円満退社とは、従業員と会社側が双方納得した状態で労働契約を解除することをいいます。
法的には、たとえ会社が納得していなくても、労働者が退職を希望すれば退職自体は可能です。
しかし、退職に伴って必要な書類や手続きなど、何かと会社の協力が必要な場面が多くあります。
このような手続きを円滑に進め、気持ちよく退職するためにも、できるかぎり円満退社を目指すことがおすすめです。

円満退社するためには、退職の意思を切り出すタイミングや退職理由の伝え方が非常に重要です。
いつ、だれに、どのように伝えればよいのか、退職理由の伝え方について解説します。

【退職する日の1ヶ月前までに伝える】
退職の決意が固まったら、できるだけ早く会社に相談しましょう。
仕事の引き継ぎや、退職後の人員調整のためにも、退職までの期間には余裕があった方がよいためです。
一般的には、遅くとも退職の1ヶ月前には退職の意思を伝えるのがマナーでもあります。
退職の意思をいつまでに伝えたらよいかは、就業規則にも記載があるので確認しておきましょう。

【直属の上司に伝える】
退職の意思を職場に伝える際は、まず直属の上司に相談します。
このとき、対面で直接申し出るのがマナーです。
周りに他の従業員がいる場所は避け、上司と2人きりで静かに話せる場所を選ぶなど、伝える場所にも配慮してください。
上司と2人きりになれる機会が少ない場合は、メールで個別に相談がある旨を連絡し、2人で話せる時間を作ってもらいましょう。

【口頭ではっきりと退職の意思を示す】
上司に退職の相談をする際は、自分にはっきりと退職の意思があることを伝えましょう。
退職に対して少しでも悩んでいる素振りを見せたら、上司は退職を考え直すよう説得してくるかもしれないためです。
お世話になった上司に退職の話は切り出しづらいですが、退職をスムーズに決めるためにも、意思が強いことを伝えましょう。

【退職理由は正直に話す】
円満退社を目指すのであれば、退職理由は正直に話しましょう。
本音を伝えづらいからといって虚偽の理由を伝えると、思わぬところから嘘が発覚する恐れがあるからです。
とはいえ、「給料が低い」や「残業が多い」など会社への不満を上司にそのまま伝えるのはあまりおすすめできません。
メガティブな理由は極力ポジティブな理由に言い換えて伝えると、上司も納得してくれやすくなります。

退職の理由は決まっているけれど、実際にどのように伝えればよいのでしょうか。
ここでは、退職理由ごとに伝え方の例文をご紹介します。
共通のポイントは、あくまでも今の会社に感謝していることを伝え、前向きな理由にすることです。
また、「一身上の都合」とだけ伝えても問題ありませんが、さらに理由を聞かれることもあるので、念のため確認しておきましょう。

【ポジティブな理由の例文】
ポジティブな退職理由の場合でも、自分都合の退職であることには変わりないので、誠意を見せることが大切です。
自分が抜けた分の負担を極力減らすために、残された業務をやりきることや引き継ぎを責任もって行う決意を伝えましょう。

＜例文＞
お忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。
急な話で申し訳ございませんが、この度〇月をもって退職したいと考えております。
もちろん今の仕事にもやりがいを感じているのですが、かねてより興味のあった〇〇の業界に挑戦したく、退職を決意いたしました。
退職までに今の業務や引き継ぎは最後まで責任をもって全うさせていただきます。
誠に勝手ではございますが、どうぞ、よろしくお願いいたします。

【結婚・転居など生活の変化が理由の例文】
結婚や転居など生活の変化が理由の場合は、仕方がない事情なので上司も納得してくれるでしょう。
しかし、会社から見れば自分都合の退職となるため、突然のことで申し訳ない気持ちと誠意を見せることが大切です。

＜例文＞
お忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。
私事ではございますが、この度、結婚することになりました。
お相手の方の転勤に伴って私も転居することとなりましたので、誠に勝手ながら〇月〇日までに退職を希望いたします。
誠に勝手ではございますが、どうぞ、よろしくお願いいたします。

【体調不良が理由の例文】
体調不良を理由に退職する場合、業務の継続が困難な状態であることや、治療に専念したい旨を明確に伝えることが大事です。
病院からの診断書があると症状の度合いがよく伝わり、退職の手続きがよりスムーズになります。

＜例文＞
お忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。
この度は欠勤が続いており、ご迷惑をおかけしております。
以前より体調不良のため通院をしておりましたが、思うように体調が回復せず、医師から長期的な治療が必要との診断を受けました。
誠に勝手ではございますが、これ以上欠勤が続いて皆様にご迷惑をおかけしないためにも〇月をもって退職させていただきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。