掘削工事とは？転職に役立つ仕事内容や求人の特徴、使う機械を解説！

掘削工事とは、図面をもとに現地盤から施工面までの土砂を掘り下げて、穴をあける作業のことです。
地面を指定の深さまで掘る掘削工事は基礎工事の初めの工程であり、地表面より下の構造をつくる工事であることから、建築工事では必要不可欠となります。
土留め工事や排水作業も並行して行われることが多いので、工事期間は長めになる傾向があります。
掘ったところを最終的に埋め戻して盛土をする床掘りと違い、掘削工事は埋め戻しをしないのが特徴です。
掘削方法は、以下の4つがあります。

【ロータリー掘削】
ロータリー掘削とは、ビットと呼ばれる刃先と地上の機械を連結し、刃先を回転させて、その回転によって地層を削る掘削方法のことです。
ロータリー掘削は、地盤の柔らかい個所から固いところまで掘れるのがメリットです。

【泥水掘削】
泥水掘削とは、ロータリー掘削を行うときにビット近くの掘削屑を効率的に取り除くこと、掘削屑を地下深くから地上まで運び出すために泥水を循環させて行なう掘削方法のことです。
泥水が流出するように、ノズルの付いたビットを使用します。

【エア掘削】
エア掘削とは、泥水の代わり空気を使用する掘削方法のことです。
泥水掘削とは違った設備や掘削技術が必要となりますが、エア掘削だと泥水を使用しないこともあって、コストカットが期待できます。

【空気混合泥水掘削】
空気混合泥水掘削とは、空気を含んだ泥水を使用し、見かけ上の泥水比重を小さくして低圧層に逸泥が発生しないようする掘削方法のことです。
エア掘削と同様に、逸泥対策を行わなくても良いため、地熱井の生産層や還元層に影響を与えにくいのがメリットです。

掘削工事に必要な機械には、主に以下のものがあります。

【バックホウ】
バックホウは、ショベルカーやユンボとも呼ばれ、掘削工事に用いられる重機の中で最も使用頻度の高いものです。
バックホウは、掘った土が地下深くでない場合はダンプトラックにそのまま積み込めるため、万能型でとても実用的といえます。
また、バックホウは掘削工事以外でも用いられることから、活躍の場所が広いのが特徴です。

【クラムシェル】
クラムシェルは地下深くまで掘り進められた土を、ダンプトラックに積み込むために使用される機械です。
先端に吊られたクラムシェルバケットを駆使し、土砂を掴んでトラックに積み込むのが特徴です。
地下深くない場所だと、バックホウでそのままトラックに積むことが可能ですが、掘り進めればバックホウでは対応できないので、クラムシェルが必要となります。

掘削工事の流れは、次のように進めていきます。

【1次掘削】
1次掘削は、バックホウを使用して地面を掘っていく作業です。
既存の土留めに沿って土を掘り、そのまま掘った土をダンプトラックへ詰め込んでいきます。
一定の深さまで掘り進めた後、支保工と言われる土留め壁を支える切梁を設置します。

【2次掘削】
2次掘削は、1次掘削で掘り進めたところから再度バックホウにより掘り進める作業です。
掘り進めることから、トラックに土を詰め込む際にはクラムシェルを使用します。
1次掘削と同様に、志保工を設置して土留め壁を支えます。

【排水作業】
掘り進める場所、あるいは状況によっては地下水が湧き出るケースがあります。
そのため、排水作業が必要となります。
湧き出した地下水を取り除く作業が、排水作業です。
これをしなければ、土全体が泥上になって非常に重くなり、作業にも支障をきたすのです。