新卒採用とは|新卒採用はいつからいつまでか、市場の動向や採用基準を解説
新卒採用とは|新卒採用はいつからいつまでか、市場の求人動向や採用基準を解説
企業の採用には大きく2つ「新卒採用」と「中途採用」があります。
これから就活を控える学生は新卒採用とは何か、企業にとってどんなメリットがあって市場はどのような動向なのかなど気になる点も多いでしょう。
就活を迎えるにあたり、まずは新卒採用への理解を深めることも就活準備の1つです。
そこで今回は新卒採用とは何かについて、詳しくお伝えします。
新卒採用の特徴や市場動向などを押さえた上で、自己分析や企業研究、インターンシップなどの具体的な就活準備に取り組んでみましょう。
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新卒採用とは
新卒採用とは「新卒一括採用」の略であり、高校・大学を卒業見込みの学生を同じ時期に一括で採用する日本の採用形式です。
一般社団法人日本経済団体連合会「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果」によると、新卒一括採用の実施割合は約9割、通年採用の実施割合は約3割との調査結果がみられます。
なお一般的に新卒に年齢制限はないものの、これまで正社員としての就業経験がない高校・卒業見込みの学生を対象としています。
まずは、新卒採用が行われるメリットや中途採用との違いをみていきます。
【新卒採用のメリット】
・企業文化が継承されやすくなる
・組織の安定化につながる
・採用コストが比較的低い
・将来の幹部候補の土台がつくりやすい
・社内の活性化につながる
新卒採用は一括で行われるため、人材の募集もそれだけ多くなります。
そのため将来の幹部候補として期待できる優秀な人材が獲得しやすく、中途採用よりもマーケットが大きいため採用コストも比較的抑えられる点がメリットです。
またまだどこの会社にも属したことがないため、最初に入社する企業の文化に馴染みやすく、長年働き続けてくれれば組織の安定した成長にもつながります。
真っ新な状態であるからこそ、先入観を持たずして企業の文化や理念に浸透しやすく、馴染みやすい点が新卒人材の特徴です。
【中途採用との違い】
中途採用との大きな違いは、募集対象とする人材と採用目的にあります。
中途採用の募集対象はすでに社会人経験を積んだ人材であり、即戦力が求められる点が特徴です。
一般的には高校・大学卒業から3年以上が経過した社会人が中途採用の対象となり、3年未満の場合は別途「第二新卒」として括られる場合があります。
そして中途採用の目的は、増員・欠員補充のためです。
つまり、人員が足りていない、欠員によるポジションの空きを埋めるタイミングで求人を出しています。
ニーズに応じて随時求人を出すため、厳密な採用時期は決まっておらず、志望企業が転職するタイミングで求人を出しているとは限らない点は要注意です。
新卒採用市場の動向
少子高齢化が進む日本では、労働人口の減少に伴い新卒に限らず採用市場は以前よりも縮小しつつあります。
一方で厚生労働省資料「労働市場における雇用仲介の現状について」によると、2000〜2019年までの間で新卒を含む未就業入職者は約60万人増加しています。
また厚生労働省「令和3年上半期雇用動向調査結果の概況」から見る直近の数値ですと、2021年上半期の入職者のうち新卒は1,223.7千人です。
うち「大学・大学院卒」は517.1千人、「高校卒」は427.0千人、「専修学校(専門課程)卒」は177.3千人、「高専・短大卒」は58.8千人でした。
全体の数値としては、2020年上半期よりも165.4千人増加しており、市場はやや活性したといえます。
2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、新卒採用を見送る、または規模を縮小した業界・業種もあるでしょう。
今後は新型コロナウイルスの影響の落ち着き、経済の回復に伴い新卒採用市場もさらに活性化することが予想されます。
そもそも、現在の日本では若手人材が少ないことからも、企業にとって新卒人材は貴重な存在です。
そのため、新卒採用市場自体が縮小していても、新卒の需要は高まっているといえます。
新卒採用はいつからいつまで?採用スケジュール
新卒採用の一般的なスケジュールは、3月に会社説明会やエントリーなどが開始、6月1日以降に面接などの本格的な選考活動開始としています。
3月から始まる会社説明会やエントリーを経て6月に本格的な選考がスタートし、順次内内定を獲得していきます。
10月に内定式を行う企業が多く、一般的にはそれまでに内定承諾して就活が終了するイメージです。
もちろん、企業によっては何らかの理由でそれ以降も新卒採用を継続するケースもあります。
また企業によっては一般的なスケジュールに関係なく新卒採用をスタートしている場合もあるため、まずは行きたい業界・企業の新卒採用スケジュールをチェックすることが大切です。
一方、3月に就活がスタートするイメージですが、実質的に新卒採用に向けた動きは大学3年の夏からスタートしています。
その代表的な動きが、企業が実施するインターンシップです。
3月はあくまで新卒採用の本格化がスタートする時期であり、それに備えて前の年からインターンシップに参加したり、企業研究や自己分析を進めるなどして就活準備を進める人も多くいます。
なお、これまで日本経済団体連合会、通称「経団連」が主導として就活に関するルールや日程を取り決めていましたが、2021年3月以降卒業・修了の学生の就活から政府主導へと切り替わりました。
そのため、具体的なルールや日程は今後の新卒採用の動きを見てこれまでとの変更点が出てくる可能性もあるため今後の動向はしっかりと確認した方が良いでしょう。
よくある質問
- 新卒採用にはどれくらいのコストがかかりますか?
- 「就職白書2020」によると、新卒採用にかかるコストは2019年度新卒採用で1人あたり93.6万円でした。
一方で、中途採用は103.3万円の採用コストです。
新卒採用は中途採用よりもコストが抑えられる点がメリットですが、その差は約10万円までに縮まっています。
なお、新卒採用に最もコストがかかるのはナビ媒体へ求人を掲載するための広告費用です。
そのほか、新卒採用には下記のようにさまざまなコストがかかっています。
・合同説明会やイベントへの参加料
・個別説明会の会場費
・会社案内、採用パンフレット製作費
・自社の新卒採用ホームページの改修費
・採用に関連するシステム導入費や利用料
・人材紹介の採用成功報酬
・遠方のイベントや説明会参加にかかる出張費、学生に支給する交通費
・インターンシップ報酬(有給インターン実施の場合)
・懇親会や交通費、研修費等の内定中フォロー費 - 新卒採用の面接ではどのような質問がされますか?
- 新卒採用の選考の特徴は、即戦力となりうるスキルや経験よりも人柄を把握するための質問が多い点です。
ポテンシャルを重視した採用となるため、学生の人柄や企業との相性をチェックするための質問が多くみられます。
下記は、新卒採用の面接でよくある質問例です。
・志望動機を教えてください
・自己PRをしてください
・学生時代に頑張ったことは何ですか?
・長所と短所を教えてください
・これまでで最も苦労した出来事は何ですか?
・尊敬する人はいますか
・就職後はどんなことがしたいですか?
・弊社が第一志望ですか? など
就活生の人となりや志望意欲を知るための質問が多い傾向にあります。
そのため、自己分析や企業研究を徹底して質問対策することがポイントです。
-
新卒採用の採用基準
ミスマッチによる早期離職を防ぐため、公平な選考を進めるためにも企業では新卒採用において採用基準を設けています。
細かい採用基準は企業によって異なる点もありますが、下記では一般社団法人日本経済団体連合会「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果」からみた「採用の観点から、大卒者に特に期待する資質・能力・知識」より採用基準を抜粋します。
▼特に期待する資質 ※回答割合の多い順(上位5つ)
・主体性
・チームワーク、リーダーシップ、協調性
・実行力
・学び続ける力
・柔軟性
▼特に期待する能力 ※回答割合の多い順(上位5つ)
・課題設定、解決能力
・論理的思考力
・想像力
・傾聴力
・発信力
▼特に期待する知識 ※回答割合の多い順(上位5つ)
・文系、理系の枠を超えた知識・教養
・専攻分野における基礎知識
・専攻分野における専門知識
・教理、データサイエンス、AI、ITに関する専門知識
・専門資格
特に期待する資質として、回答企業の約8割が「主体性」「チームワーク・リーダーシップ・協調性」を挙げています。
また変化の激しい時代であるからこそ、「学び続ける力」も企業が新卒者に求める資質となっています。
上記は、企業が共通して採用基準とする傾向にある資質や能力です。
プラスして、企業が独自に設けている求める人物像などを把握し、企業にマッチする人材であることをアピールすることが大切です。 -
新卒採用の求人の探し方
新卒採用求人の探し方は、新卒採用専用の求人サイトか企業ホームページからが一般的です。
新卒採用専用の求人サイトは無料で登録でき、数多くの業界・業種から新卒向けの求人を探すことができます。
しかし多くの選択肢を獲得できる一方で、掲載情報には限りがある点がデメリット。
そのため、求人サイトで気になった企業はその企業のホームページから直接情報を得ることがポイントです。
また新卒採用求人を探す穴場としておすすめなのが、転職求人サイトです。
転職求人サイトには、実は「新卒歓迎」として新卒採用向けの求人が掲載されていることがあります。
新卒採用専用の求人サイトにはない穴場求人にも期待できるため、ぜひ転職求人サイトも活用してみてください。
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