人間関係が理由で転職するのはあり？対処法や転職を成功させるためのポイント

人間関係で転職する人は少なくなく、厚生労働省の「令和2年 雇用動向調査」では男性の8.8%、女性の13.3％の人が人間関係を理由に離職しています。
人間関係を理由にした離職は「その他」「定年・契約期間の満了」を除き男性は収入に次いで2番目に、女性は人間関係が最も多くなっています。
男性の場合は「労働条件の悪さ」や「会社の将来」、女性の場合は加えて「収入が少ない」ことよりも人間関係が転職のきっかけになっているのです。
このような結果からも、人間関係は転職に大きく関係していることがわかります。

実際に人間関係を理由に転職している人は多く、人間関係を理由に転職するのは問題ないでしょう。
しかし、人間関係以外の条件・環境には満足している場合、人間関係を理由に転職するのがもったいないのも事実です。
さらに人間関係の問題はどの会社にいても起こり得るものであるため、転職が必ずしも解決策になるとは限りません。
そのため人間関係を理由に転職する前にできる限りのことを実践してから、最終手段として転職を考えることをおすすめします。
ここでは、人間関係を理由に転職する前にできる４つのことをお伝えします。

【身近な人や人事に相談する】
悩みを第三者に打ち明けることで解決する可能性もあります。
自分の努力や工夫で改善できることなのか、どうしようもならないことなのかが整理でき、転職することで解決できるか否かが考えやすくなります。
パワハラやセクハラ関係で悩んでいる場合は、早急に人事に相談しましょう。

【異動を希望する】
転職しなくとも、部署やプロジェクトを移ることで解決するケースもあります。
特に個人間の人間関係に悩んでいる場合は、その人と離れることで改善するでしょう。
異動は会社の制度や都合上難しい場合もありますが、人事に理由と希望を伝えることで何かしら対処してくれる可能性もあります。

【自分の考え方を変えてみる】
考え方や価値観の合わない人とも付き合わなければならないのが仕事です。
そのため必ずしも自分が納得できる環境で働けるとは限らず、割り切らなければならないシーンがあるのは仕方のないことです。
相手に過度に期待せず、必要以上に関わらないことで人間関係の悩みやストレスが緩和されるかもしれません。

【本人と話す】
相手が上司や先輩、苦手な人だと難易度の高い手段ですが、本人と直接話すことで悩みが改善の方向に進む可能性があります。
本人も自分のことで相手が悩んでいると知らない可能性もあるため、直接悩みを打ち明けることで行動を改めてもらえるかもしれません。
なかには相手を嫌っているわけでなくとも、冷たい態度をとってしまう方もいるでしょう。
本人に悪気がないこと、感情や意図がわかることで悩みが解決する可能性があります。

この場合、関係を悪くしないようにも、感情的にならず建設的に話し合いたい、相手を理解したいという姿勢で臨むことがポイントです。

【内定が出たらすぐに転職を決めてしまう】
すぐにでも現職の人間関係から解放されたいばかりに、内定が出たらすぐに転職を決めてしまうのは失敗の一因です。
人間関係を理由にした転職では、人間関係がリセットできる環境であればどこでも魅力的に感じてしまうもの。
それゆえに社風や働き方、条件など自分が仕事に求める重要な部分を見極めないまま、とにかく会社を離れる理由ができたと答えを急いでしまう方も少なくありません。
それでは人間関係の問題が解決できても、そのほかでまた新たな悩みや問題が発生し、転職を後悔してしまう可能性があります。

【環境以外のミスマッチが起こる】
人間関係がリセットされても、「労働条件が悪い」「聞いていた年収よりも低い」など環境以外のミスマッチが起こるリスクもあります。
働く上で人間関係は重要な要素ですが、年収や労働条件も同じく重要です。
人間関係だけに注目していると条件面を疎かにしてしまうことがあるため、その点でミスマッチが起こらないように転職することが大切です。

【転職活動が長引く】
人間関係を理由に転職したい気持ちが強いと、それ以外に転職する目的を見出すのはなかなか難しいものです。
かといって正直に人間関係を理由に転職したいことを伝えると「人間関係を理由に辞めてしまう人」というイメージがついてしまい、リスクのある人材だと思われる可能性があります。
転職した先でどうなりたいのか、どう働きたいのかが明確にならないまま転職活動に臨み、なかなか内定がもらえずに転職活動が長引くリスクも考えられます。
人間関係を含み環境を変えることも立派な転職理由の１つですが、それ以外にも転職軸を明確にし、自分に合った条件や働き方ができる企業に転職することが重要です。